足立としゆき夢だより【第105号】をお届けします

皆さん、こんにちは。

足立としゆきです。

 

第100回を迎えた夏の甲子園は、勤務経験のある秋田県の金足農業の健闘で多いに盛り上がりましたが、大阪桐蔭が実力を発揮し史上初の2度目の春夏連覇を成し遂げ、幕を閉じました。連日、熱い戦いを繰り広げた高校球児の皆さんに感謝を申し上げます。

ところで、西日本の記録的な豪雨災害以降も、頻繁に台風が発生し日本を襲っています。やはり、地球温暖化に伴う気候変動の深刻な影響と考えざるを得ません。現在も、台風19号、20号が日本を窺っています。皆さん、くれぐれもご注意ください。

8月2日(木)、参議院災害対策特別委員会で西日本の豪雨災害について質問をさせていただきました。

まず、今回の政府の迅速な対応について評価するとともに、地球温暖化に伴う気候変動を踏まえ、今後の水害・土砂災害対策の進め方について質問しました。また、愛媛県の野村ダム・鹿野川ダムなど計画規模を超える雨によってダム湖が満杯になった際の「異常洪水時防災操作」のあり方について質問をしました。

続いて、高知自動車道の大規模な土砂崩れによる上り車線の落橋を踏まえ、高速道路の4車線化を進めることが大事なことも指摘しました。

一方、被災地で災害対応に頑張っている建設業の皆さんに報いるため、国土交通省のガイドラインに基づく随意契約を、特に自治体レベルまで徹底するよう求めました。

さらに、ここ20年の公共事業予算の削減が防災対策の遅れを引き起こしていることを指摘し、地球温暖化に伴う気候変動により水害・土砂災害が激甚化する中、災害の未然防止が重要であり、事前防災のための公共投資の拡大が不可欠と訴えました。

私も、公共投資の拡大に向け引き続き全力で頑張りますので、皆さんの暖かいご支援をよろしくお願いいたします。

さて、西日本の豪雨災害の被災地にも引き続き伺っておりますので以下に活動状況を報告し、そのあと最近の動向について紹介します。

 

【被災地調査】

8月16日(木)、京都府福知山市の被災地の調査を行いました。

まず、市役所において大橋市長、伊東副市長から概要説明をいただき、早期復旧や国の支援などについてご要望を伺いました。なお、福知山市では今回、全壊5棟、半壊39棟、床上浸水201棟、床下浸水337棟、道路で511箇所、河川で320箇所、農地冠水702haの被害が出ています。

現地では、国土交通省近畿地方整備局の中込河川部長、久内福知山河川国道事務所長、京都府の小林中丹広域振興局副局長、福知山市の今井土木建設部長、京都府建設業協会福知山支部の米田支部長をはじめとする皆さんにご同行いただきました。

伺った現場は、由良川本川戸田橋付近の直轄による堤防整備箇所、大江町内の内水被害地区や水防災事業による宅地嵩上げ地区、宮川の被災箇所、谷河川(たにごがわ)の天然ダムの発生現場、福知山の市街地を流れる弘法川の浸水対策のための調整池整備箇所などです。

なお、天然ダムは幅110m、長さ190m、河道の埋塞深約15mと京都府ではこれまで経験したことのない大規模なもので、国土交通省の支援を受けた京都府の指揮のもと地元の建設業2社が安定化のための取り組みを進めていました。技術的にも厳しい工事ですが、地域の建設業の底力を発揮する貴重なチャンスでもありますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。

8月19日(日)・20日(月)、広島県内の土砂災害の被災地を、広島建設工業会の檜山会長のご案内で調査しました。

初日の19日(日)は、まず、呉市川尻地区の水道ポンプ施設の被災箇所を訪れました。

大量の土砂や岩塊が流下してきて、川沿いのポンプ室・電気室・発電機室などが根こそぎ持って行かれており、急遽別の場所に応急仮設ポンプが設置されていました。土石流のもの凄いエネルギーを痛感しました。なお、水道の関係者からは、復旧にあたって地元負担ができるだけ小さくなるよう要請を受けました。

続いて、呉市の天応地区、坂町の小屋浦地区に伺いました。

ここからは、中国地方整備局の川崎局長、若林河川部長、本省大臣官房付けで中国地整に派遣されている岩崎さんにも合流していただきました。

天応地区は10名、小屋浦地区は15名という多数の犠牲者が出ています。この両地区は「土砂洪水氾濫」という私自身も初めて聞く形態の土砂災害で被災しており、マサ化した土砂がこれまで経験したことがないほど大量に流下してきて河道を埋め尽くし、さらには河道沿いの家屋の軒先の高さまで堆積し、家屋内にもおびただしい量のマサ土が流入しており、大変驚きました。

天応地区は中国地整が、小屋浦地区は県が、いずれも砂防の災害関連緊急事業で復旧に取り組んでおり、すでに河道内に堆積していた土砂の除去は終わっていましたが、家屋内の土砂の除去は進行中で、いずれの現場でも地域の建設業の皆さんが土砂の除去や災害ガレキの除去などに重機を駆使して頑張っていました。

なお、これらの被災地では、全壊家屋が多いため、地域を今後どのように再生・再建していくのかが大きな課題であると考えられました。

続いて、坂町の水尻地区に伺いました。広島呉道路の盛り土部が崩れてJR呉線の水尻駅に流れ込み、高速道路もJRも国道31号も通行止めになっていた箇所です。広島・呉間では国道31号は復旧しましたが渋滞が著しいため、NEXCO西日本に頑張っていただき、高速道路の早期復旧をお願いしたいと思います。

なお、あらかじめ4車線化していればもう少し早期に復旧できたのではないかと考えさせられました。

続いて、坂町の総頭川地区に伺いました。こちらも中国地整が直轄の災害関連緊急事業で実施しており、河道内の埋塞土砂はすでに除去されていました。なお、上流部に足を運ぶと、まだ橋梁に大量の流木が堆積している箇所が残っており、その凄まじさに驚きました。

20日(月)、まず広島市安芸区矢野東地区の被災現場に伺いました。ここでも12名の方が犠牲になられましたが、開発された住宅団地の中を流れる急勾配の渓流に巨大な岩塊がゴロゴロ溢れ、川沿いの家屋に大きな被害を与えている状況に驚きました。

続いて、熊野町川角地区の被災現場に伺いました。地元の三村熊野町長、広島県から山本砂防課長にお越しいただきご案内いただきました。

ここでも12名の方が犠牲になられました。こちらは巨大な土石流が複数発生しており、コアストーンと呼ばれる5mをゆうに超える信じられないぐらい巨大な岩石がおびただしい数流下してきて、それによって開発された団地の住宅を約20棟、根こそぎなぎ倒し大きな被害を発生していました。

斜面のはるか上には、巨大なコアストーンが大量に分布しており、現在も避難指示が発令中です。平成26年の広島の土砂災害の被災地でも採用されたワイヤーネットを施工中でしたが、砂防ダムを含め総合的な対策の早期整備が必要と考えられました。

その後、広島市安芸区畑賀の被災地に伺いました。ここでは、畑賀川が氾濫し、おびただしい数の河岸侵食が発生し、川沿いの家屋が被災していました。心配なのは、流下してきた土砂で下流部でも河床が上昇しており、早期の土砂撤去が必要と考えられました。

なお、同行いただいた檜山会長からは、今回の災害を踏まえ、建設分野において若者の確保を長期的視点で行うよう要請がありました。

また、具体的な課題として、市街地内の厳しい環境の中で施工が求められる砂防工事の歩掛りや労務単価の見直しを求められました。

こうしたご意見を踏まえ、今後入札契約の改善に向けた取り組みを進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

【国会関係】

現在、国会は閉会中ですが、冒頭に紹介したとおり8月2日(木)に閉会中審査として参議院災害対策特別委員会が開催され、質疑に立ちました。

 

【自民党関係】

7月26日(木)、自民党の若手議員で構成する「日本の未来を考える勉強会」(代表:安藤裕衆議院議員)で、今回の西日本の豪雨災害について講演をさせていただき、当初予算の拡大と大規模補正予算の編成を訴えました。藤井聡京大教授も同様の主張をされていました。

同じく26日(木)、東北経済連合会・東北建設業連合会により構成される「東北の社会資本整備を考える会」が竹下亘総務会長、二階俊博幹事長に予算拡大に関する要望活動を行いました。私も佐藤信秋参議院議員とともに立ち会わせていただきました

30日(月)、自民党の「平成30年7月豪雨非常災害対策本部」に出席し、事前の防災対策にも資する大型補正予算の編成を求めました。また、8月2日(木)にも、自民党の国土交通部会関係合同会議において、同様の意見を述べました。

8月9日(木)、西日本の豪雨災害を受けて、「日本の未来を考える勉強会」が『自然災害大国における国土強靱化投資の財政措置に関する緊急提言』を取りまとめ、高村正彦自民党副総裁に提出しました。また、10日(金)に西村康稔内閣官房副長官にも同様の緊急提言書を提出しました。

その内容は、今回の西日本の豪雨災害を受けて豪雨災害対策等への投資の拡大を求めるもので、その後行われた記者会見で、私から地球温暖化を踏まえた豪雨対策・土砂災害対策、河川・渓流などの土砂の除去・樹木伐採、内水対策のための下水道整備、災害に強い地域づくりのための高速道路のミッシングリンクの解消や4車線化など、公共投資拡大の必要性を訴えました。

 

【都内の催し】

都内では、国土交通省和歌山県人会、高知県の横瀬川ダム建設促進期成同盟会の意見交換会、静岡県三島市の国道1号笹原山中バイパスの要望会、秋田県議会建設振興議員連盟と秋田県建設業協会との意見交換会、内閣危機管理監創設20周年記念懇親会などに出席しました。

 

【地方の催し】

7月26日(木)、栃木・茨城・群馬三県建設業協会の合同会議に佐藤信秋参議院議員とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。

27日(金)、京都府建設産業団体連合会の岡野会長のお取り計らいで、京都商工会議所の建設産業部会で「インフラ整備を考える」と題して講演をさせていただき、公共投資の増額について理解を求めました。

31日(火)、岩手県に伺い、岩手県建設業協会の木下会長をはじめ幹部の皆様にご案内いただき、花巻市役所、遠野市役所を訪問し、各地域のインフラ整備に関する要望について伺いました。遠野市の本田市長からは、道の駅の機能強化と工業団地の拡充についてご要望をいただきました。

その後、花巻市内で建設業協会の幹部の皆さんに国政報告をさせていただきました。西日本の災害の直後ですので、被災地視察の報告と補正予算獲得に向けた取り組みなど、ホットな情報をお伝えすることができました。

8月4日(土)、設立20周年を記念して青森県五所川原市で開催された「あおもりの川を愛する会」の河川技術講演会にお招きをいただき、「激甚化する水害に備える」と題して、頻発する水害・土砂災害、西日本の豪雨災害の教訓、必要な事前防災のための予算などについて、お話をさせていただきました。

5日(日)、青森県建設業協会の熊谷副会長、青森県公共工事品質確保安全施工協議会の大坂会長のご案内で、霊場として有名な恐山に初めて伺いました。その後、むつ市役所に伺い、宮下宗一郎市長を表敬訪問しました。日曜日でしたが、市長には快く受け入れていただきました。

宮下市長は国土交通省の後輩でもありますが、行政手腕には優れたものがあり、今後の活躍を大いに期待しています。

なお、訪れた市役所は、倒産したショッピングセンターを改装して再利用しているもので、同じくショッピングセンターの一部を庁舎に利用している岩手県の遠野市役所や、廃校となった高校の体育館を再利用している富山県の氷見市役所などとともに、全国的にもとても珍しい、注目すべき取り組みだと思います。

16日(木)、京都府福知山市のまちかどキャンパス「吹風舎(ふくちしゃ)」において「第1回 京都府北部地域のまちづくりに関する研修会」が開催され、「西日本豪雨災害を考える」と題して基調講演を行い、引き続き開催されたワークショップにも参加し、参加者の皆さんと意見交換をさせていただきました。

参加者は京都府・福知山市の若手職員約20名で、それに加えて福知山市の伊東副市長や今井土木建設部長、京都府中丹振興局の小林副局長、京都府建設業協会福知山支部の米田支部長も参加されました。

質疑では、「京都府のインフラ整備の予算が他の府県に比べて少ないのはなぜか?」、「ハード整備だけでなく避難などソフトの充実を図る必要があるのではないか?」、「広島の土砂災害について土地利用規制を強化するなど何か手立てはないのか?」、「京都縦貫の4車化を進めるいい方策はないのか?」など、具体的で単刀直入な質問で盛り上がりました。

引き続き行われたワークショップ「災害に強いまちづくり・地域づくり」にも、伊東副市長や米田支部長とともにコメンテーターとして参加させていただきました。私自身、このようなワークショップに参加するのは初めてでしたが、ファシリテーターの福知山公立大学の谷口教授の軽妙なさばきもあって、若い方々から新鮮な刺激をいただきました。ありがとうございました。

なお、最後に下館河川事務所で進めている「マイタイムライン」を紹介し、その普及をお願いしました。

✳︎マイタイムライン

http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000660930.pdf

 

17日(金)、岐阜県の高山市長選に3選を目指して出馬を表明されている国島 芳明(くにしま みちひろ)現市長の激励に、高山市に伺いました。

国島市長には、平成23年7月から1年2ヶ月にわたり中部地方整備局長として勤務した時以来、大変お世話になっています。

会場には、高山建設業協会の大山理事長をはじめ30名を超える建設業界の皆さんにお集まりいただき、国島市長の決意のご挨拶、成原白川村長、大山理事長のご挨拶とともに私の激励の挨拶を聞いていただき、最後には恒例の「がんばろーコール」で締めくくりました。

なお、市長選は8月19日(日)告示、26日(日)投開票の予定です。

 

【建設分野のトピックス】

8月1日(水)、国土交通省が社会資本整備審議会・交通政策審議会技術部会「国土交通技術行政の基本政策懇談会」を開催し、今後取り組むべき研究開発課題や施策等について議論が行われました。

今回のテーマは、「地球温暖化、防災、国土強靱化、安全」「グリーンイノベーション、グリーンインフラ」で、地球温暖化により激甚化する災害を踏まえ、「国土交通省が日本、世界のため地球温暖化政策により積極的になるべきだ」等の意見が出されたとのことです。

地球温暖化の適応策の推進は、私も国会等で繰り返し主張してきているものであり、国土交通省の技術政策の重要な課題として研究開発や施策の推進が行われることを期待しています。

 

皆さん、引き続きご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。