足立としゆき夢だより【第115号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

今月末には、第198回国会(通常国会)が、150日の会期で開催される見込みです。
冒頭に、安倍晋三総理の指示に基づく重要インフラの緊急点検を踏まえた各種対策を実施する「平成30年度第二次補正予算案」の審議が見込まれます。早期成立そして早期執行のため頑張りますので、皆様にはご支援をよろしくお願いいたします。

さて、昨年9月28日にインドネシアのスラウェシ島のパル市を中心に、地震・津波により死者・行方不明者が約3,500名に及ぶ大災害がありました。

年末に現地に行かれた自民党国土交通部会長の伊藤忠彦衆議院議員からアドバイスをいただき、私も被災地に伺い調査を行うこととしました。調査に当たっては、JICAの専門家としてインドネシアに派遣されている多田さん、早川さんというかつて国土交通省河川計画課で一緒に勤務したことのあるメンバーにお骨折りをいただき、1月5日(土)から被災地パル市に入ることとしました。国土交通省河川計画課の廣瀬課長、砂防・地すべり技術センターの山越国際課長にもご同行いただきました。

スラウェシ島は、インドネシア中部にあってカリマンタン(ボルネオ島)とニューギニア島との間にある「Kの字」のような、また「蘭の花」のような形とも称される面積が19万㎢、人口が1,740万人の大きな島です。
日本からは、ジャカルタまで8時間、そこから南スラウェシの州都のマカッサルを経由して4時間半かかって被災地のパル市に到着しました。

パル市に到着後、まず被害の大きかった市内のペトボ地区に伺いました。
ここは、勾配が1%程度で非常に平坦であるにもかかわらず、幅1km、長さ2.5kmの範囲で地震に伴う液状化により地盤が大規模流動を生じており、1000戸を超える家屋が流され破壊されたり、流動化した土砂に飲み込まれたりして大きな被害を生じていました。かなり大規模な流動で、着陸する飛行機の中からも状況は確認できました。
なお、この液状化に伴う大規模流動は世界的にも大変珍しい現象と考えられますが、この現象の発生メカニズムの解明や今後の復旧・復興計画の策定に、日本の多田さん、早川さんの2名が大いに活躍していました。

翌6日(日)、まずペトボ地区の南のシギ県のビロマル地区に伺いました。ここでも液状化による不陸の発生が顕著で、道路が湾曲したり舗装が波状になるなど大きく変状し、沿道の家屋やガソリンスタンドなどの施設も被災していました。
続いて、ジョノオゲ地区に伺いました。この地区でも、ペトボ地区と同様、勾配が1%程度で非常に平坦であるにもかかわらず、幅1.5km、長さ3.5kmの範囲で、液状化による大規模な流動により大きな被害を発生していました。
なお、この地区では流動化による被害に続いて、被圧地下水の流出が原因と考えられる洪水が発生し、被害を拡大していました。地震に伴う洪水は、ため池の決壊に伴うものであれば日本でも経験していますが、被圧地下水が原因というのは初めて聞く話しです。
続いて、さらに南のシバラヤ地区に伺いました。液状化の規模はペトボやジョノオゲに比較すると小さいものの、やはり広範囲に大規模流動による被害が発生していました。なお、この地区の西側の山地部に大規模な深層崩壊と考えられる崩壊地が確認されました。その直下には集落があるとのことで対策の早期検討が必要と考えられました。

続いてパル市内に戻り、パル湾沿岸部の津波被災地の調査を行いました。
沿岸部では10mを超える津波に見舞われたとの報道もありましたが、それは津波の水しぶきの高さで、浸水深としては約3mであったようです。なお、当時海岸付近の公園でイベントの開催中で、それが犠牲者を増やす大きな要因となったと伺いました。
まず、津波の発生に関わったのではないかと考えられているパル湾沿岸部の地すべり地区に伺いました。沿岸部の道路が背後地もろとも海に落ち込んでいました。ただし、この程度の規模で巨大な津波を発生させることができるのか、しっかり検証する必要があると考えました。
続いて、パル川河口に建設されていた橋梁の落下地点に伺いました。パル市の象徴的な黄色いアーチの橋ですが、この程度の地震で落橋したのは構造的な問題があったのではないかと考えます。
続いて、公営住宅や病院の被災箇所にも伺いました。近隣の建築物で被害のないものもたくさんありましたので、これらについては設計ないしは施工に問題があったのではないかと考えられました。
さらに、海岸部に残ったモスクに伺いました。不思議な残り方をしていることから震災のシンボル的な施設となっており、復興のシンボルとして活用することも検討されていると伺いました。

引き続き、西側の地区で唯一液状化による大規模流動の被害を受けたパル市内のバラロア地区に伺いました。
こちらは、ペトボやジョノオゲの勾配が1%程度であったのに対し2%程度ですが、やはりかなり平坦であるにもかかわらず、幅0.4km、長さ1kmの範囲で液状化による大規模な流動により激甚な被害を発生していました。
もともと人家が密集している地域でもあり、たくさんの家屋が破壊されたり地盤に飲み込まれるなど大きな被害が出ていました。建物の中には300mも流されたものも確認されているとのことでした。なお、多田さんの話では、現地のカイリ族には「ナロド」という「泥に吸い込まれる」という意味の液状化を示す呼び名があるとのことで、こうした現象が過去にも起こっていたと考えられました。
なお、この地区の付近では何カ所か地表面に今回の地震で動いた断層が現れており、道がクランク状に変状していました。大きいところでは4.5mの横ずれが確認でき、大変驚きました。その割に地震の揺れ自体による構造物の被害が少ないのが不思議でした。

今回、年明けの慌ただしい時期に被災地に伺いましたが、地盤の大規模な流動化現象など私自身これまで見たことのないような現象がたくさん発生しており、貴重な経験をさせていただきました。
この地域の復旧・復興には、多田さんや早川さん、またそのスタッフの皆さんが超人的に頑張っておられます。このメンバーがいなければパルの復興は考えられません。今後のご健勝とさらなるご活躍を期待いたしますし、私もそのための支援に全力を尽くしたいと思います。よろしくお願いいたします。

なお、新年に当たって各方面からたくさん賀詞交換会等のご案内をいただきました。しかし、インドネシアへの海外出張や他の日程と重なってしまい出席が叶わなかったところ、代理出席となってしまったところが数多くありました。

心からお詫びを申し上げます。次の機会にはお伺いしたいと思っておりますので、ぜひともお声かけをいただきますようお願い申し上げます。

さて、最近の動向を紹介します。

【国会関係】

国会は閉会中であり、特段の動きはありませんでした。

【自民党関係】

参議院の執行部会や正副国会対策委員長会議などの会議が行われました。

1月12日(日)、「キャリアインカレ」の決勝大会が都内で開催されました。前回の夢だよりで「キャリアインカレ」については紹介させていただきましたが、自民党代表に勝ち進んだ愛知東邦大学の女性2人「チームかしこ」の皆さんは健闘されましたが優勝は逃しました。地方の目線で地方創生を考える姿勢は高く評価されますので、今後さらなるご活躍を期待いたします。よろしくお願いいたします。

【都内の催し】

1月8日(火)、日本水道工業団体連合会の新年名刺交換会に出席し、盛山正仁衆議院議員をはじめとする衆参国会議員の先生方とともに一言ご挨拶をさせていただきました。
続いて、全国住宅産業協会の新年賀会に出席し、たくさんの衆参国会議員の先生方とともにご紹介をいただきました。
なお、夕方には中部地方整備局長としてお世話になりました末松鈴鹿市長をはじめ鈴鹿市の皆さんと中部地方整備局関係者との意見交換会が開催され、ご挨拶をさせていただきました。

【地方の催し】

1月9日(水)、福島県建設産業団体連合会の賀詞交歓会に伺い、森まさこ参議院議員をはじめ地元の衆参国会議員の先生方とともに新年のご挨拶をさせていただきました。

1月10日(木)、近畿地方整備局のOB会である「近畿会」の年賀交歓会に出席し、平成15年4月から3年半、企画部長として勤務した際の仲間や、古くから知っている皆さんと楽しく過ごさせていただきました。なお、近畿地方建設局のOBの竹本直一衆議院議員も顔を出されました。

1月11日(金)、京都北部で「ふるさと対話集会」を開催しました。
この集会は、自民党の国会議員が全国各地を訪れ、地域の皆様の生の声を直接膝を突き合わせ、伺わせていただく活動です。
自民党が政権交替で下野した際に、その反省を踏まえ自民党の谷垣禎一総裁のリーダーシップで始められた活動です。
今回、谷垣先生のご地元の京都北部で、谷垣先生の後継者である本田太郎衆議院議員とともに開催できましたことは、全国区の議員ではありますが、同じ京都北部を地元とする私にとりましても大変嬉しいことです。
午前中の舞鶴市では、池田府議にもご参加いただき、人口減少や若者の定住、若者の政治離れに対する懸念などの意見が出された他、舞鶴港の整備や近年頻発している高野川の治水対策、さらには入札契約、特に地域要件のかけかたなどについて意見をいただきました。
一方、福知山市では、井上府議、家元府議にもご参加いただき、人口減少傾向に対して「関係人口」を拡大して対処する具体的な方策、社会保障制度や農業の進むべき方向について意見が出た他、コンパクトシティの具体的進め方について意見をいただきました。
これからもチャンスがあれば、皆様の地域で「ふるさと対話集会」を開催させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

舞鶴市のふるさと対話集会の後、市会議員の皆さんとの意見交換会が開催され、地元の本田太郎衆議院議員とともに出席いたしました。

続いて、京都府建設業協会の京都北部5協会、綾部建設業協会の新年例会がそれぞれ福知山市、綾部市で開催され、本田太郎衆議院議員とともに出席しご挨拶をさせていただきました。
京都北部5協会の新年会では、福知山建設業協会の米田会長をはじめ幹部の皆さんにお世話になりました。感謝を申し上げます。
また、綾部建設業協会の新年例会では、青松会長をはじめ幹部の皆様にお世話になりました。また、山崎綾部市長や四方府議にもご出席をいただき、大いに盛り上がりました。ありがとうございました。

1月12日(土)、広島市で開催された中国地方防災研究会のシンポジウムにおいて、「激甚化する自然災害に立ち向かう  ~事前防災の必要性と創設10周年を迎えたTEC-FORCEへの期待~」と題して講演をさせていただきました。
私が本省河川計画課長の際に提唱し制度の設立に携わったTEC-FORCEも創設後10年がたちました。最近の活躍ぶりを見ると大変感慨深いものがあります。お招きいただいた中国防災研究会の皆様に感謝を申し上げます。

続いて、広島市において「ふるさと対話集会」を開催しました。
建設分野の若手を中心とするメンバーから、外国人技能者の受け入れ問題や建設業の後継者育成問題などについて意見を伺うとともに、魅力ある建設業のあり方やそれを伝える広報のあり方、今回の広島の豪雨災害を踏まえた災害対応のあり方と入札契約の問題などについてご意見をいただきました。
ふだん、ここまで詳しく意見交換をするようなことはなかなかありませんので、大変貴重な経験となりました。今後ともこうした取り組みを続けてまいりますので、皆さんよろしくお願いいたします。