足立としゆき夢だより【第155号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

再び新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。大都市圏が中心ですが、地方にも広がりを見せており心配です。引き続き、警戒を怠ることなく、感染拡大防止に全力で取り組んで行かなければならないと考えています。

さて、7月28日(火)と30日(木)の両日、参議院の災害対策特別委員会と国土交通委員会で質疑に立つチャンスをいただき、熊本県南部を中心とする豪雨災害などについて質問をいたしました。

まず、7月28日(火)、参議院の災害対策特別委員会で、令和2年度が最終年度の「防災・減災、国土強靭化3か年緊急対策」の継続実施を、武田良太国土強靭化担当大臣に要請しました。
また、頻発する豪雨災害を受けて、区別がつきにくい避難勧告と避難指示の一本化に向けてどのような検討を行っているのか、内閣府の青柳政策統括官に質問をしました。
さらに、球磨川の激甚な浸水被害を踏まえ、人吉市や沿川市町村の街づくりとあわせて、川辺川ダムを含めた抜本的な治水対策を進めるよう、五道水管理・国土保全局長にお願いしました。
なお、通行止め解消に向けて整備局と地元の建設業の皆さんが頑張っている岐阜県の国道41号、大分県の国道210号についても、池田道路局長に早期復旧をお願いしました。

続いて、7月30日(木)、参議院国土交通委員会で、「GO TO トラベル事業」について、旅する側も受け入れる側も新型コロナウイルスへの対応に慣れていないため、「安全安心な新しい旅のスタイル」を定着させるためにも、着実に実施するよう赤羽一嘉国土交通大臣にお願いしました。

また、激甚な水害に見舞われた熊本県南部の球磨川について、これまで記録したことのない降水量や水位により甚大な浸水被害を発生したことを受けて、人吉市など球磨川沿いの街の再生と合わせて、現在中止されている川辺川ダムを含めて抜本的な治水対策を進めるよう赤羽大臣に要請しました。

さらに、近年、頻発する災害に対応するため、自治体に代わって国が復旧を行う権限代行が増えており、それに伴い事務所や出張所の新設が相次いでいるため、整備局の組織・定員を確保するよう水嶋官房長お願いしました。

なお、今回も熊本県南部をはじめ豪雨災害の被災地に現地調査に行ってきましたので、ご報告させていただきます。

【自民党災害対策本部による熊本県南部被災地調査】

7月19日(日)、梅雨前線による大雨で被災した熊本県南部に、「自民党令和2年豪雨災害対策本部」から本部長代行の岸田文雄自民党政調会長、事務局長の今村雅弘衆議院議員とともに事務局長補佐として現地調査に伺いました。
ご地元の金子恭之衆議院議員、馬場成志参議院議員、藤木真也参議院議員、吉永県議、荒川県議が同行されました。

まず、水俣市役所に伺い、高岡市長から被災状況の説明とご要望を承りました。私からは、水俣川の河床掘削の必要性、南九州西回り道路の重要性について発言をさせていただきました。

続いて、津奈木町役場に伺い、山田町長から被災状況の説明とご要望を承りました。私からは、土石流で被災した平国地区の今後の復旧のあり方について発言をさせていただきました。

続いて、犠牲者を出した芦北町田川地区の土砂災害現場に伺いました。家屋が2戸倒壊した現地で黙祷させていただくとともに、芦北町の竹﨑町長からご説明をいただきました。
続いて、芦北町中心部で被災した老舗旅館に伺いました。旅館の社長に被災した建物の中までご案内をいただきましたが、深刻な被害に驚きました。
その後、役場に伺い、竹﨑町長をはじめ町の幹部の皆さんと今後の復旧・復興について意見交換を行いました。私からは、芦北町の一部が面している球磨川の抜本的な治水対策について発言をさせていただきました。

翌日の7月20日(月)、まず芦北町のあしきた農業協同組合に被災のお見舞いに参りました。地元の金子恭之衆議院議員、馬場成志参議院議員、松村祥史参議院議員、吉永県議、荒川県議が同行されました。

続いて、球磨川沿いで激甚な水害被害を受けた八代市の坂本町に伺いました。1週間前に来た際にはまだ通行止めで、最近ようやく孤立が解消した地域で、まだまだ片付けが進んでおらず、生々しい状況が見てとれました。なお、道路の路面より5m以上の高さに洪水の痕跡が確認されましたので、大変驚きました。

引き続き、八代市役所に移動し、中村市長と意見交換をさせていただきました。市長からは、球磨川の抜本的治水対策について強い要望がありました。

続いて、自民党熊本県連所属の県議の皆さんから要望書をいただき、それをもとに意見交換を行いました。
県連からは、ボランティアが入れない影響で家屋内の泥や災害廃棄物の処理が滞っている問題、洪水を踏まえ総合的・抜本的な治水対策に取り組む必要性などのご指摘がありました。

その後、人吉市に移動し、ご地元の松岡市長や溝口県議のご案内で、「あゆの里」という老舗の温泉旅館の被災状況を視察しました。1階の窓ガラスが割れて、大量の泥がロビーに堆積していましたが、1週間前に比較すると皆さんのご努力で泥がきれいに排除されていました。
続いて、九日町商店街の被災状況を視察し、被災した焼肉屋の中の状況などを見せていただきました。内部は、天井まで水が来ており大変な状況でした。
その後、市内の青井阿蘇神社に伺い被災状況を見させていただきました。宮司さんからは、楼門が浸水したのは江戸時代以来とのことで、今回の水害が極めて歴史的な大水害だったことがうかがえました。

その後、熊本地震で被災した人吉市役所が仮移転している人吉カルチャーパレスに伺い、松岡市長など市の幹部の皆さん、溝口県議、松田県議らと意見交換をさせていただきました。市長からは「市民の中には浸水した地域には住み続けたくないとの意向の方もいて存亡の危機」とのお話があり、復興街づくりや被災自治体への財政支援を強く求められました。また、地元の溝口県議からは、治水対策と街づくりを一体的に考える必要性などについてご指摘がありました。

続いて、球磨村に移動し、役場機能を移し災害対策本部が設置されている屋根付きゲートボール場のさくらドーム周辺に伺い、松谷村長など村の幹部の皆さん、松田県議らと意見交換を行いました。村長からは、安全な平場がなく仮設住宅の設置場所がないこと、今後安全に住まうための抜本的な治水対策と街づくりの必要性などについて意見をいただきました。

引き続き、球磨村の県道相良橋、肥薩線の鉄橋の落橋地点に伺いました。いずれもトラス構造の歴史的な橋梁で、架橋以来初めて球磨川の洪水の巨大なエネルギーにさらされたものと考えられました。

なお、球磨川沿川では、落橋した道路橋10橋を含み激しく被災した約100kmの県管理の国道、県道、市町村道をまとめて九州地方整備局が権限を代行して復旧することになりました。ありがたい限りです。

なお、岸田文雄政調会長とともに熊本県水俣市に入る前の7月19日(日)午前中、人吉市内の浸水被害の状況を詳細に見せていただくため、現場を訪れました。熊本県建設業協会の土井会長、人吉支部の松村支部長、ご地元の溝口県議にご同行いただき、丁寧に被災状況を見させていただきました。
人吉市中心部の激烈な被災状況を目の当たりにして、この街を何とか早期に再生できるよう頑張らねばならないと改めて強く感じました。

【大分県被災地調査】

7月23日(木)、大分県内の被災現場を訪れました。大分県建設業協会の友岡会長にご案内いただきました。また、九州地方整備局からも村山局長、前大分河川国道事務所長の今田道路情報管理官、大分河川国道事務所の樋口所長が合流されました。

まず、日田市の建設業協会を訪れ、今回の災害への対応状況について日田支部の河津支部長等幹部の皆さんからご説明をいただきました。日田支部は、平成24年の最初の九州北部豪雨、平成29年の2度目の九州北部豪雨を経験し、その上で今回の豪雨災害ですので、体制もしっかり確立しており、スムーズに対応できているとのことでした。

続いて、大きな被害を受けた市内の天ヶ瀬温泉に伺いました。筑後川水系の玖珠川が氾濫して、川沿いの温泉街のいたるところで二階近くまで浸水被害を受けていました。驚くことに、玖珠川に架かるトラス橋や吊り橋の人道橋も落橋していました。

その後、九州地方整備局が直轄管理している大分県玖珠町の国道210号の被災現場を訪れました。
現場では、増水した玖珠川により約100mにわたり道路が洗堀されて流失し、通行止めになっていました。先日伺った岐阜県の国道41号と被災状況がよく似ていました。
被災現場では、整備局の皆さんが地元の建設業の皆さんと協力して24時間体制で復旧に当たっていましたが、開通には1か月程度はかかるとのことでした。

続いて、整備局の皆さんと別れて、由布市由布院町の湯平(ゆのひら)温泉に伺いました。山間部の情緒ある温泉街だそうですが、街中を流れる花合野(かごの)川が氾濫し、護岸が洗掘され、川沿いの旅館にも大きな被害がでたとのことです。
現地では、道路が通行止めで温泉街までは伺えませんでしたが、手前のところでも巨大な岩塊が川の中に転がっており、凄まじいありさまでした。
なお、車で避難中に花合野川に流され、まだ行方不明の方もおられるとのことでした。

【世耕参議院幹事長による熊本県南部の被災地視察】

7月31日(金)、参議院の世耕弘成幹事長、上月良祐副幹事長とともに今回の豪雨災害で被災した熊本県南部の球磨村、人吉市に伺いました。
現地では松村祥史先生にご案内をいただき、意見交換会には地元から馬場成志先生、小川克巳先生、本田顕子先生、宮崎雅夫先生が参加されました。

まず伺ったのは球磨川の渓谷沿いの球磨村です。ライフラインが復旧して23日に再開したばかりの役場に伺い、松谷村長と意見交換をさせていただきました。私から閣議決定したばかりの「被災者の生活と生業の再建に向けた対策パッケージ」について説明し、村からは、避難者が戻れる場所の確保、光ファイバー切断に伴う通信障害、学校再開に向けた課題などについて要望をいただきました。
なお、人吉市に戻る際に、県道相良橋、肥薩線の鉄橋の落橋地点で、整備局の村山局長、沓掛道路部長、服部八代河川国道事務所長から権限代行で行う道路・河川の整備についてご説明をいただきました。
また、14名が犠牲になられた渡地区の千寿園にも立ち寄り黙祷を捧げました。

続いて、人吉市内に移動し、中心街の九日町商店街を、松村祥史先生に加え地元の溝口県議にもご案内いただき、被災者のお話しを伺いながらじっくり見て回りました。
再建に向けて必死に頑張っている刃物の製作所、醤油の製造工場、川沿いの温泉旅館、国宝の青井阿蘇神社などの皆さんから復旧に向けた取り組みについてご説明をいただきました。12日に伺った頃に比べると、ずいぶん泥はきや片付け、廃棄物処理が進んでいました。

続いて、中小企業大学校をお借りして、県連会長の前川県議、溝口県議、松田県議、緒方県議、地元の松岡人吉市長と意見交換会を行いました。
前川会長からは、県連の21項目の要望のほとんどが対策パッケージに盛り込まれたことについて感謝の言葉がありました。
溝口県議や松岡市長からは、被災住民から引き続き住み続けることに不安の声があることを踏まえ、治水対策と街づくりを一体で考えて対応する必要があるとのご意見をいただきました。

その後、被災企業の皆さんとの意見交換会を行いました。皆さんからは対策パッケージ、特にグループ補助金を拡充した「なりわい再建補助金」の創設に大きな期待が集まっていました。熊本県建設業協会人吉支部の松村支部長からは、マンパワー不足の問題、廃棄物処分場の確保の問題などの指摘がありました。対策パッケージが大きな効果を発揮して、一日も早い復旧・復興が実現するよう心から期待しております。

最近の動向は次のとおりです。

【国会の動き】

7月21日(火)、参議院災害対策特別委員会の理事懇談会が開催され、内閣府防災の青柳政策統括官から災害の状況報告があり、各理事から質疑を行いました。
私からは、球磨川沿川の街づくりとあわせた抜本的な治水対策の必要性、ボランティアが入れない状況下の土砂や泥を含めた災害廃棄物への対応、新型コロナウイルスに続いて起こった水害で被災している球磨川沿川自治体への財政支援の必要性などについて、意見を申し上げました。

【自民党の動き】

7月31日(金)、「令和2年度豪雨災害対策本部」が開催され、「被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージ」が了承され、その後閣議決定されました。
対策パッケージの内容としては、グループ補助金を拡充して使いやすくした「なりわい再建補助金(仮称)」が創設されたほか、宅地内やまちなかの廃棄物や土砂の撤去、これまでは全壊のみが対象であった半壊家屋の解体支援、これまでは併用できなかった応急修理期間中の仮設住宅の使用、学習・就学支援、雇用調整助成金の要件緩和・助成率の引き上げなど、これまで政府としては必ずしも十分には対応できていなかったきめの細かい対策が盛り込まれています。ぜひ、ご活用いただければと思います。

「被災者の生活と生業(なりわい)の再建に向けた対策パッケージ」
http://www.bousai.go.jp/pdf/r2ooame_saiken_pack.pdf

その他、令和2年度豪雨災害対策本部、新型コロナウイルス関連肺炎対策本部などの会合に出席するとともに、参議院自民党の執行部会、副幹事長会議に出席しました。

【地方の活動】

元参議院議員で講談師「旭堂南陵」として活躍してこられました西野康雄先生が7月30日(木)の朝、ご逝去されました。70歳でした。
8月1日(土)、ご親族のお許しをいただき、密葬に参列させていただきました。

私自身、長良川河口堰建設事業をきっかけに、先生が参議院議員の時以来30年以上、公私にわたりご指導をいただくなど大変お世話になりました。
まだまだ聞きたい講談がありましたし、ご指導いただきたいこともたくさんありましたので、とても残念です。
心からご冥福をお祈り申し上げます。