足立としゆき夢だより【第79号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

昨日9月25日、安倍晋三首相は28日招集の臨時国会冒頭に衆議院を解散する意向を表明されました。これから慌ただしくなりそうですが、皆様にはご支援のほどよろしくお願いいたします。

さて去る9月17日、台風18号が鹿児島県の南九州市に上陸しました。その後、観測史上はじめて九州・四国・本州・北海道に続けて上陸し、日本列島を縦貫して大きな被害を与えました。中でも甚大な被害を生じた大分県の佐伯市、津久見市に、9月23日に伺いました。

最初に伺った佐伯市では、宇目地点のアメダス観測値で時間雨量89.5mm、気象レーダーによる解析値で時間120mm以上、24時間雨量で500mmを記録しました。
まず、大分県建設業協会佐伯支部で渡辺支部長と森崎副支部長から状況説明をいただき、その後番匠川の番匠大橋地点で氾濫危険水位を5時間にわたり超えた本川の出水状況(堤防上部に洪水痕跡が見えました)を確認したあと、特に激甚な被害を受けた支川井崎川に伺いました。

井崎川沿川では、元田地区で橋梁のアバット部がえぐられ、尺間地区の田ノ平では川沿いで越水により家屋が全壊していました。
また、尺間地区の川中は特に被害が激甚で、橋がひとつ完全に流されており、高台にある家屋も多数床上浸水していました。現地では、佐伯市弥生振興局の泥谷(ひじや)局長にもお話しを伺いましたが、各家ともかなり深刻な被害で、地域の方々や消防団の皆さんが総出で泥のかき出しや洗浄、片付けを行っておられました。

続いて伺った津久見市では、気象レーダーによる解析値で時間約120mm、24時間雨量で約500mmを記録し、市内を流れる津久見川、青江川など多数の川で越水被害があり、中心市街地が浸水していたるところ泥だらけで、津久見市役所の1階が浸水被害を受けており、大分県建設業協会の津久見支部の1階も浸水被害を受けていました。

まず津久見市役所に伺い、川野市長、黒田市議会議長から状況説明を受けました。
市長からは、市内の平地のすべてが浸水被害を受けており、被災ゴミも大量に発生しているとのことでした。なお、太平洋セメントなど市内の企業が積極的に支援活動をしており、大いに助かっているとのことでした。国土交通省のTEC-FORCEにも10名入っていただき、ありがたいとのお話もいただきました。

現地は、大分県建設業協会津久見支部の神田支部長や幹部の皆さんにご案内いただき、東九州自動車道の高架橋のアバット部の地滑り、通行止めとなっている県道佐伯津久見線の崩落部、JR日豊本線の橋梁のアバット部の被災箇所、落橋した青江川の赤木橋などの現場を見て回りました。

佐伯市、津久見市を通じて感じたことですが、テレビで紹介されていたのは被災当初に取材できた中心市街地の浸水状況ばかりで、激甚な被災地にはなかなか入れないためその状況が伝わらなかったということを改めて感じました。
また、いずれもこれまで経験したことのない被害であり、九州北部豪雨と同様、原形復旧ではなく再度災害防止など改良復旧の必要性を痛感しました。
いずれにしても、このような大災害で犠牲になられた方がいなかったのは幸いだったと思います。私としても全力で支援をさせていただくつもりですが、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

9月16日には、昨年の台風10号で被災した北海道十勝地区の災害復旧状況を視察しました。

まず、訪れたのは北海道開発局が直轄で管理している国道274号の日勝峠です。ご案内いただいたのは、北海道開発局帯広開発建設部の河畑部長、井田次長をはじめとする皆さんです。帯広建設業協会の萩原会長にもご同行いただきました。
日勝峠では、66カ所で道路が流失したり、橋梁や覆道が損傷したり、大変大きな被害が発生して、1年以上たった現在も通行止めが続いています。このため、有料の高速道路である道東自動車道を無料開放して、道央と道東の間の交通を確保しています。
現地は霧に覆われて見えにくい状況でしたが、被災後、地元の建設業界が中心となって全力で復旧に取り組んでおり、今年10月末の供用を目指して、最後の仕上げの舗装やライン引き、ガードレールや情報版などの各種設備の整備が進められていました。
激甚な災害が発生したときこそ、地域の建設業の皆さんの力の見せ所であり、日勝峠の現場で改めてその役割の大きさを痛感しました。

続いて訪れたのは、北海道庁が管理している一級河川十勝川の支川のペケレベツ川、芽室川の被災現場です。
現場は、北海道庁十勝総合振興局の永山副局長、石黒災害復旧推進室長、南部耕地出張所の三條所長にご案内いただきました。帯広建設業協会の萩原会長にもご同行いただきました。
ペケレベツ川は、日勝峠から流れ下って来た川で、土石流も発生しており、複数の橋梁の取り付け部が流失したり、えぐられたりして大きく損傷しており、甚大な被害を受けていました。現在、災害復旧事業で橋梁の架け替えを行うとともに、再度災害防止を図るため河川の整備が進められていました。
芽室川も、破堤による浸水で大規模な製缶工場が被災して製品の流通にも大きな影響が出ており、製缶工場自ら防水壁を設置するとともに、河川サイドで改良復旧工事が進められていました。

また、北海道開発局が管理している札内川と戸蔦別川の合流点付近の被災現場にも訪れ、流失した堤防の復旧状況を見させていただきました。
なお、被災地に行く際に通った国道38号などでも随所で橋梁が流失するなど大きな被害が出ていますが、こうした状況が必ずしも全国的には知られておらず残念に思いました。

なお、芽室川や戸蔦別川では、河川の破堤や越水などによって農地に砂利や砂が大量に入っており、十勝川の河川改修で出て来た良質な掘削土を客土して、農地の復旧を行っていました。
十勝地域では、農業被害が300億円に上っていますが、河川サイドと農業サイドが連携してこのような農地の復旧を行うという北海道開発局ならではの取り組みに感心しました。

最後に、帯広建設業協会の萩原会長など幹部の皆さんと意見交換を行い、様々なご要望をいただきました。ありがとうございました。
最近の動向を紹介します。

【国会関係】
国会は閉会中であり、特に動きはありませんでした。

【自民党関係】
自民党関係では、9月12日、自民党の憲法改正推進本部が開催され、出席しました。
20日、自民党の東日本大震災復興加速化本部の会合が開催され、私から凍土壁の効果について評価する発言を行うとともに、今後の対応について質問し、凍土壁による汚染水対策の適正な運用を求めました。
続いて、自民党の災害対策特別委員会に出席し、列島を縦断した台風18号の被害について報告を聞きました。私からは、これまでにないような気象現象が全国的に頻繁に起こっていることを踏まえ地球温暖化の影響が現れはじめていることを国民に周知すべきであること、今回の台風のみならず九州北部豪雨や秋田の大雨などを踏まえ補正予算に向けてしっかり準備をして欲しいことなど、意見を申し上げました。
その他、宏池会の定例会に出席しました。

【都内】
9月2日夕方、都内で宮地エンジニアリング・グループの安全衛生大会後の懇談会に出席して、ご挨拶をさせていただきました。

8日、リバーフロント研究所の研究発表会が都内で開催され、引き続き設立30周年を記念する交流会が開催され、出席してご挨拶をさせていただきました。

11日、日本学術会議の公開シンポジウム「設計者・コンサルタントを対価の多寡で選んで良いのかー知的生産者の公共調達に関わる法整備ー」に招かれ、各界からのメッセージの冒頭で、ご挨拶をさせていただきました。
私からは、建設分野はインフラの整備や維持管理、防災や復旧・復興などの担い手として大変重要な役割を果たしていること、その建設産業の再生のためには量の確保と質の確保の両面が大事なこと、設計・コンサルタントの分野ではプロポーザルや総合評価など適切な発注方法を採用すべきことなど、意見を述べました。

19日、今年7月の九州北部豪雨で激甚な被害を受けた福岡県朝倉市の森田市長が議員会館にお見えになり、改良復旧事業の補助適用の拡大や、流木・土砂の撤去・処分経費への支援、査定後3年の復旧工事期間の延長、中長期的な復興支援など、切実な要望を伺いました。私としても、被災地の深刻さを踏まえ、できる限りの努力をしていきたいと考えています。

21日、リニア中央新幹線に関する7府県の経済界の要望活動に同行して、国土交通省の簗和生政務官や森技監のところに伺いました。私からは、リニア中央新幹線の建設に当たり関連工事を含めて地元建設業を活用するようお願いしました。

21日、全国建設業協会(全建)の全国の会長が出席する「協議員会」が都内で開催され、佐藤信秋参議院議員や脇雅史前参議院議員とともに出席し、ご挨拶をいたしました。

また、今年7月の秋田県の大雨で直轄河川の雄物川沿川で大規模な浸水被害を受けた秋田県大仙市の老松市長が議員会館にお見えになりました。
被害を受けた雄物川は、私が30年前に支川玉川の上流の仙北市田沢湖町で玉川ダムの建設工事に携わった思い出深い川です。今回の大雨では、玉川ダムが大きな効果を発揮して玉川沿川の洪水被害を大幅に軽減しましたが、雄物川本川の玉川合流点下流部では無堤部が残っており、その影響もあって支川も合わせて大仙市で床上・床下合計1,521棟の浸水被害があったそうで、老松市長は、無堤部の早期解消を求めておられました。無堤部の解消には、予算の確保と用地取得への地元の協力が不可欠であり、市長にはそうした点へのご協力をお願いしました。

22日、全建の自民党本部への要望活動に同行しました。
午前中は、九州建設業協会の岩崎会長をはじめ九州各県の会長の皆さんで、岸田文雄政調会長、二階俊博幹事長に、平成30年度予算の本年度を上回る確保と今年度の大型補正予算の編成について要望しました。
午後からは、近藤会長をはじめ協会幹部の全国の会長の皆さんで、二階幹事長、岸田政調会長、竹下亘総務会長に、10億円以上の工事に比較して10億円未満の工事の発注量が全国的に少なく特に地方の建設業が苦しいこと、中国・四国・日本海側の工事発注が少ないなど地域的偏在が著しいこと、地方の建設業の景況感の悪化が進んでいることなどの現状を訴え、大型補正予算の編成、平成30年度当初予算の大幅増額、工事請負契約書に係る印紙税の撤廃を要望されました。

【地方の催し】
地方にも引き続き伺っており、9月4日、私が所属する宏池会の研修会が、山梨県富士吉田市で開催され出席しました。
研修会には、岸田文雄会長、林芳正文部科学大臣、上川陽子法務大臣、松山政司一億総活躍担当大臣をはじめ、宏池会に所属する30名を超える衆参の国会議員が参加しました。岸田会長は、「平和、財政、経済、社会保障、地域社会などの持続可能性が大事だ、丁寧に謙虚に責任を果たして行きたい」と決意を述べられました。
なお、研修会に先立って山梨県都留市のリニア見学センターに伺い、リニアに試乗して500km超のスピードを経験させていただきました。

6日、北海道旭川市から車で2時間ほど北にある下川町の天塩川水系サンル川で北海道開発局が建設中の「サンルダム」に、水源地環境センターの森北理事長、本体施工を担当している大成建設の渡邊顧問、土木営業本部の安部副本部長と伺いました。
ダム現場にはJVの土肥所長にご案内いただきましたが、工事は最終段階で、新たなダム建設工法であるCSGにより天端付近の施工を行っているところでした。昨年8月に定礎式に出席させていただきましたが、本体工事のスピードには驚かされました。
また、この川ではサクラマスの保全が課題で、ダムを遡上するための魚道の工事が進められ、遡上試験の準備が行われていました。

7日、大阪市に伺い、大成機工の前会長の矢野雅歳さんの「お別れの会」に出席し、二階俊博自民党幹事長や江崎鉄磨沖縄・北方担当大臣、谷公一衆議院議員、盛山正仁衆議院議員などゆかりのある方々とともに献花をさせていただきました。

9、10日、富山県に伺い、黒部川の電源開発や河川総合開発の現場を視察しました。
ご案内いただいたのは、関西電力執行役員の吉津水力事業本部副本部長、熊谷組の大田相談役、山崎土木事業本部副本部長をはじめとする皆さんです。
初日に伺った宇奈月ダムは、洪水調節や発電、水道用水の供給を目的とする多目的ダムで、20年以上前に私が建設省河川局開発課の課長補佐の際に建設事業を担当させていただいたダムです。黒部川の大量の流出土砂を下流に流すため、建設省でははじめて排砂ゲートを設けたダムで、排砂に当たって上流にある関西電力の出平ダムと連携排砂を行っています。
なお、排砂設備は磨耗が著しいためコンクリートにブロック状の石張りが施してあります。当時様々な議論のあった排砂設備がしっかり役立っているのを見ると嬉しくなりました。

2日目は、早朝、宇奈月温泉からトロッコ電車の愛称で呼ばれる黒部峡谷鉄道で、宇奈月ダム、出平ダム、小屋平ダムなどを見ながら、黒部川沿いに欅平まで移動しました。
出平ダムは、関西電力の発電専用ダムで、同行していただいた吉津執行役員が若い頃携わられたダムです。黒部川の大量の土砂流出に対応するため我が国ではじめて排砂設備を設けたダムで、現在ではそのあと建設された建設省の宇奈月ダムと連携排砂をしています。
出平ダムの上流では大量の土砂が随所に堆積しており、かなり被害も出ているようで、流出土砂の脅威を感じました。
欅平からは、関西電力のご配慮で専用線で黒部ダムに向かいました。
途中、仙人谷ダム、黒部川第四発電所を視察し、黒部ダムサイトに向かいました。
なお、仙人谷ダムの手前に吉村昭さんの小説で有名な「高熱隧道」と呼ばれる専用軌道の区間があり、トンネル内が暖かくなり、硫黄の匂いが充満しており、難工事を彷彿とさせられました。
黒部川第四発電所は、黒部の太陽で有名な数々の難工事の末、完成した発電所で、土木技術のエポックとも言うべき一大プロジェクトです。先人たちのご努力には心から敬意を表したいと思います。

その後、伺った黒部ダムでは、観光放流を行っているホロージェットバルブをダム下流面のキャットウォークから間近に見させていただき、興奮しました。また、ダム直下流からダムからの放流を浴びながらダムを見上げることもでき、感激しました。

13日、埼玉県本庄市に伺い、吉田本庄市長、狩野本庄商工会議所会頭、竹並埼玉県建設業協会児玉支部長、真下実行委員長が連携して実施する「本庄市地域の将来を考える会」に出席して、「強靭な国土づくりを進めるために」と題して、今後のインフラ整備のあり方、本庄市地域への期待、必要な公共事業予算、建設産業の果たす大事な役割などについて基調講演をさせていただきました。続いて、吉田本庄市長と、防災、インフラ整備、まちづくり、建設産業再生などをテーマに、今後取り組むべき方向、特に本庄市においていかに進めるべきか、対談をさせていただきました。

9月15日、北海道釧路市に伺い、北海道建青会の全道会員大会の記念式典に出席し、ご挨拶をさせていただきました。
北海道建青会は、北海道の建設業の若手経営者の皆さんを構成メンバーとする組織で、全国建設青年会議のメンバーでもあります。この式典には、全道から300人を超えるメンバーが集まり、次世代への基礎づくり「礎」をテーマに活発な議論が繰り広げられ、活気溢れる会合となりました。引き続き行われた懇親会にも参加させていただき、出席した皆さんと盃を交わし、大いに盛り上がりました。

なお、それに先立って、北海道開発局釧路開発建設部の中島次長をはじめとする皆さんにご案内いただき、直轄河川である釧路川流域の釧路湿原、国際バルク戦略港湾である釧路港を視察しました。

翌日16日、釧路から帯広に移動する際に、北海道開発局で整備を進めている道東自動車道の建設現場を視察させていただきました。
道東自動車道は、札幌を中心とする道央地域と帯広・釧路など道東地域を結ぶ重要な高速道路で、平成27年3月に浦幌~白糠、平成28年3月に白糠~阿寒が開通し、一歩一歩釧路に近づいています。
訪れた現場は、最後の阿寒~釧路西間の整備が進められている箇所で、北海道開発局釧路開発建設部の桑島部長、中島次長にご案内いただき、i-Constructionで丁張りをかけずに土工工事を進めており、作業に携わる方々も少なく、とてもすっきりした現場の状況を見させていただきました。

17日、滋賀県長浜市に伺い、滋賀県建設業協会の本庄会長の黄綬褒章受章式典に出席いたしました。式典には、衆議院から4名、参議院から私と同じく建設分野の代表の佐藤信秋先生を含め5名が出席して、盛大に行われました。
なお、前号でもお知らせしましたが、議員活動1年を節目に、Facebookページを開設しました。私の日頃の活動を、ほぼ毎日写真により紹介しておりますので、ご活用いただきたいと思います。なお、Facebookページ名「参議院議員 足立敏之」、ユーザーネーム「@Adachi.Toshiyuki501」で開設しておりますので、ぜひご覧いただきますようお願い申し上げます。

引き続き、皆様にはご支援、ご指導のほどよろしくお願いいたします。