足立としゆき夢だより【第89号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

今年最後の夢だよりになりました。皆様には、今年一年、大変お世話になりました。心から御礼申し上げます。

暮れも押し迫ってまいりました。
猛烈な寒波により、北日本を中心に豪雪と暴風により大変な状況になっていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、12月16日、今年7月の九州北部豪雨で大変な被害に見舞われた福岡県朝倉市及び東峰村に、私が所属する宏池会名誉会長で地元福岡県選出の元衆議院議員の古賀誠先生とともに視察に伺いました。
現地は、林、栗原両県議や九州地方整備局の増田局長、藤巻企画部長、筑後川河川事務所の船橋所長、福岡県の山本県土整備部長、水資源機構の富岡理事、元永筑後川局長、福岡県土木組合連合会朝倉支部の平田支部長をはじめ地域の建設業の皆さんなどにご案内いただきました。

最初に、関係の皆様から復旧・復興の状況説明と入札契約に関する要望を伺いました。
続いて、最も被害の大きかった赤谷川を訪れました。この川では、谷全体を洪水・土砂・立木が流れ、家屋の流失や倒壊など大きな被害が発生しました。7月に訪れた際には、どこが川だったかもわからないような私のこれまでの経験でも見たことのない激烈な被災現場でしたが、現在は九州地方整備局が県の代行で復旧を担当して大型土嚢などで河道が形成され、今後の復旧の足がかりができ始めていました。
道路の流失により7月には入れなかった乙石川合流点より奥にも今回は入ることができましたが、土石流災害の脅威を改めて感じさせられるような激甚な被災状況でした。

また、7月には道路が寸断され伺うことができなかった東峰村の現地にも訪れ、澁谷村長のご案内で日田彦山線の筑前岩屋駅付近の土石流災害の現場を視察しました。この地域も山並みの源頭部から大規模な土石流が発生するなど大きな被害を生じており、村長からも早期復旧を要請されました。

続いて、朝倉市の北部の小石原川ダム、寺内ダムの現場を訪れました。
小石原川ダムは、本体工事中の高さ139mのロックフィルダムで、堤体部の基礎掘削を終え、まさにダム堤体の盛り立てを開始しようとしている段階で被災し、締め切りを越えて本体工事の現場に大量の水が入ってしまい、水没してしまいました。
それを本体JVの皆さんは7日間で復旧し、現在はダム本体の盛り立て工事が進められており、すでに10mほど盛り立てが進んでいるとのことでした。そのスピード感には敬服いたしました。

続いて、寺内ダムを訪れました。このダムは、高さが83mのロックフィルダムで、直前まで渇水であったこともあって洪水調節効果が絶大で、時間100mmを超える雨に2時間連続で見舞われましたが、流域からの最大流入量888㎥/sのうち878㎥/sを貯め込み、下流に10㎥/sしか放流をしなかった結果、下流の洪水被害軽減に絶大な効果を発揮しました。
また、貯水池内に大量の流木が貯まりましたが、逆に言うとそれだけの量の流木がダム下流に流れるのを阻止する大きな効果をあげました。
他の河川では、洪水と流木で大きな被害を生じているのに対して、寺内ダムの下流の佐田川ではほとんど被害がなく、寺内ダムが大きな効果をあげたと考えられました。
なお、流木は取り払われ、チップ化されバイオマス発電に活用されたとも聞きました。本当に大きな効果を発揮しました。
なお、こうした取り組みが大いに評価され、寺内ダムはダムマニアの皆さんが今年頑張ったダムを表彰する「ダムアワード」の大賞を受賞したとのことです。誠におめでとうございました。

最後に朝倉市役所に伺い、森田朝倉市長を交えて意見交換を行いました。
私からは、「国、県、市、村、水資源機構がしっかり連携して着実に復旧・復興が進んでいる、私も全力で支援したい。」とコメントいたしました。
今後とも、古賀誠先生とともに、しっかり支援していく所存ですので、よろしくお願いいたします。

【国会関係】
国会は閉会中で、特に動きはありませんでした。

【自民党関係】
自民党関係では、税制改正が大詰めを迎えていたため、政調全体会議、税制調査会、国土交通部会税制勉強会など関係の部会や調査会、勉強会などに出席しました。

また、予算編成の関係では、12月13日に日建連の山内会長はじめ幹部の皆様から、自民党の二階俊博幹事長、竹下亘総務会長、岸田文雄政調会長に、平成30年度予算の増額と大型補正予算の編成について要望を行っていただきました。

また、予算編成の閣議決定の日の12月22日に、全国建設業協会の近藤会長をはじめ幹部の皆様が、自民党の竹下亘総務会長、岸田文雄政調会長、幹事長室の林幹雄・金田勝年両幹事長代理に対してお礼のご挨拶においでいただきました。絶妙のタイミングで、心から感謝いたします。

その他、憲法改正推進本部に出席し緊急事態条項について意見を申し上げるとともに、住宅対策促進議連、生コン議連勉強会、環境部会、地方創生実行統合本部、持続可能な開発目標(SDGs)外交議連、奄美振興特別委員会、国道1号の新しいバイパス(大津〜山科間)についての勉強会、超電導リニア鉄道に関する特別委員会、2025年万博誘致実現に向けた決起集会などに出席しました。

また、国土交通省の先輩の福井照衆議院議員の励ます会に出席し、立礼にも立ち会わせていただきました。

【都内の催し】
12月12日、京都市議会の皆さんとの意見交換会に京都府連幹部とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。

19日、岐阜県飛騨地方の首長の皆さんとの意見交換会に、金子一義前衆議院議員、大野泰正参議院議員とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。

20日には、準大手ゼネコン等の中堅技術者の皆さんとの勉強会に出席し、国政報告をさせていただきました。

【地方の催し】
12月11日、山梨県笛吹市に伺い、山梨県建設業協会の幹部の皆さんとの意見交換会に、地元の森屋宏参議院議員とともに出席し、国政報告をさせていただきました。

14日には、岩手県盛岡市に伺い、岩手県建設業協会の幹部の皆様に国政報告を兼ねた講演をさせていただきました。

全国の建設産業の各団体の皆様、お声をお掛けいただければ、時間を調整して山梨や岩手のように国政報告に参りますので、ぜひご案内ください。よろしくお願いいたします。

18日、静岡県伊豆市に伺い、伊豆縦貫自動車道の天城北道路湯ヶ島第三トンネルの貫通式に出席し、貫通の儀、通り初めの儀、鏡開きなどを行わせていただくとともに、祝辞を述べさせていただきました。
式典は、工事中のトンネル坑内で行われ、牧野たかお国土交通副大臣をはじめ7名の衆参両国会議員や地域住民の皆様、地元の首長や議会関係者、工事関係者など約180人が出席しました。私は、平成23年7月から1年2カ月、中部地方整備局長として伊豆縦貫自動車道の整備を担当させていただきましたので、喜びもひとしおでした。
私は祝辞の中で、「200m程度のトンネルだが、技術的にはかなり難しいトンネル。黒部の太陽で有名な難工事の黒部ダムの工事用トンネルを施工したのが熊谷組、現場の最前線を担当したのが熊谷組笹島班。この湯ヶ島第三トンネルも、熊谷組と下請けの笹島建設がタッグを組んで難工事を克服した。今年7月に99歳で亡くなられた笹島班のリーダーだった笹島信義前笹島建設会長が、黒部の太陽の石原裕次郎さんのモデル」と紹介させていただきましたが、そのような技術的にもトップレベルの皆さんに施工を担当していただき、とても頼もしく感じました。
なお、式典後の施工業者さんの直会にも出席させていただき、ともに貫通を祝わせていただきました。

19日、香川県高松市に伺い、国の機関が入所する「高松サンポート合同庁舎」開庁式に出席して、祝辞を述べさせていただくとともに、テープカットを行わせていただきました。
今回完成したのは2棟あるうちの南館。私は、平成21年7月から2年間、四国地方整備局長として、すでに完成していた北館の9階で勤務をしましたが、まさに南館の工事を整備局が発注する直前に民主党への政権交代が行われ、公共事業見直しや国の出先機関改革で全国的に合同庁舎の発注が凍結され、南館の建設も中止をせざるをえなくなりました。当時、県知事や市長、経済界からも大変お叱りを受けたのを思い出します。
今回の南館の完成により、北館の完成から11年が経過してようやく高松サンポート合同庁舎全体が完成し、四国における国の出先機関を集約した広域防災拠点としての役割を果たすことができるようになりました。
私は祝辞の中で、政権交代に伴い中止となり混乱を招いたことについて当時の責任者としてお詫びを申し上げるとともに、「今後はこの完成を契機に南海トラフ巨大地震などに対する防災の中枢機関としての役割を果たすとともに、高松市や香川県の発展に大いに貢献してほしい」と述べさせていただきました。今回の完成で何とか責任を果たすことができ、私としても万感の思いです。

23日、南紀白浜空港経由で和歌山県新宮市に伺い、国道42号新宮紀宝道路の起工式に、自民党幹事長の二階俊博衆議院議員、仁坂和歌山県知事、鈴木三重県知事、石川道路局長、地元の首長・議員等とともに出席し、祝辞を述べさせていただくとともに、鍬入れの儀を執り行わせていただきました。
この道路は、新宮川(熊野川)河口大橋を含めた和歌山・三重両県にまたがる道路で、紀伊半島を一周する高速道路紀勢線の一部を形成し、この地域の物流や観光面のみならず南海トラフ巨大地震への対応上も不可欠な道路です。私が中部地方整備局長の際にこの東側の区間の整備を担当していましたし、私が中学・高校時代を和歌山で過ごしたこともあって、お声をかけていただいたと思います。
民主党政権下で、一時整備にブレーキがかかりましたが、何とか着工までたどり着けて、嬉しい限りです。
最後に、恒例の餅まきを行い、地域の皆様とともに着工を大いに喜びました。早期完成に向け、私も全力で頑張りますので、皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。