足立としゆき夢だより【第185号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

8月8日(日)、東京オリンピック2020が閉会しました。前回の東京オリンピックから57年、熱戦に湧いた17日間、あっという間でした。日本は、金27個、銀14個、銅17個、計58個のメダルとなり過去最高の結果で、私も野球やサッカー、フェンシング、ゴルフ、体操、女子バスケットボールをはじめ、TVの前で何度も何度も大興奮させられました。元気を与えていただきましたアスリートの皆さんに心から感謝を申し上げます。
8月24日(火)からは、パラリンピックが始まります。残念ながら無観客となるようですが、日本のパラリンピアンの皆様には、オリンピック同様、活躍を期待したいと思います。

さて、新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。
政府は8月5日(木)にまん延防止等重点措置の適用地域に、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加し、期間を今月31日までとしましたが、17日(火)には、緊急事態宣言の対象地域に、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加して13都府県に、まん延防止等重点措置も適用地域に新たに宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島の10県を追加し、16道県とする方針を決定しました。期間は、いずれも9月12日(日)までとし、すでに指定されている他の地域も期間を延長する方針としています。
なお、これに伴いまして8月16日(月)以降予定しておりました北海道をはじめとする地方出張を見合わせることといたしました。関係の皆様方には急遽キャンセルすることとなり、大変ご迷惑をおかけしておりますが、状況が状況だけに、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。
今後とも、感染防止対策の徹底やワクチン接種の拡大、さらには皆様お一人お一人のご努力で、何とか一日も早く感染が落ち着くよう願っています。

そのような中、前線が日本列島を覆うように停滞して大雨をもたらし、8月14日(土)、広島県、福岡県、佐賀県、長崎県に大雨特別警報が発表され、各地で大雨による被害が発生しました。お亡くなりになられた皆様のご冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
この間、災害対応にあたってこられた内閣府防災や警察・消防・自衛隊の皆さん、国土交通省とりわけ気象庁や整備局の皆さん、都道府県の土木担当部局の皆さん、被災者対応やコロナ禍で避難所の開設などを行っていただいた市町村の防災担当の皆さん、大変お疲れさまでした。
また、被災箇所の緊急復旧や道路・河川の維持活動などで頑張っていただいている地域の建設業界の皆さんにも、心から感謝を申し上げます。
このように長期間続く大雨は、私もこれまで経験したことがなく、地球温暖化の深刻な影響と考えて間違いないと思います。今後ともしっかり分析を進め、事前に防災対策を講じていただくようお願いをしたいと考えています。

このような状況を受けて、8月17日(火)、自民党の災害対策特別委員会が開催され、今回の豪雨災害について、内閣府防災の榊政策統括官や気象庁の大林大気海洋部長、国土交通省の井上水管理・国土保全局長などから、被災状況や政府の対応状況について報告を受け、意見交換を行いました。
私からは、
①毎年発生している大規模水害についてしっかり分析を行い、地球温暖化の影響であることを明らかにして広く国民に周知すること
②長期間の大雨に対しては「流域治水」が有効な施策であり、浸水対策を含めて早期に具体的対策を打ち出すこと
③今回の水害では、佐賀県や長野県、島根県、広島県をはじめ、たびたび被害を受けているところが再び被災しているケースが多く、補正予算を確保することにより対策のペースアップを図ること
④浸水の危険性の高いところに住まない施策を進めること
の4点について検討を急ぐよう、関係省庁に求めました。至急検討を進め、必要な措置を講じるようにお願いしたいと思います。

その他、最近の動向は次の通りです。

【国会の動き】

8月5日(木)、新型コロナウイルス対策まん延防止等重点措置の適用地域と期間の拡大等について報告を行う参議院議院運営委員会に出席しました。

19日(木)、新型コロナウイルスの感染拡大防止策などをめぐって閉会中審査として実施された参議院内閣委員会に出席しました。

【自民党の動き】

8月3日(火)、執行部会、国会対策委員会の正副委員長会議に出席しました。

5日(木)、参議院の宏池会メンバーの会合が開かれ、参議院を辞職し、次期衆議院選に出馬することを表明された林芳正宏池会座長からご挨拶がありました。今までのご指導、ご支援に対して改めて感謝を申し上げます。

8月17日(火)、冒頭にご紹介した通り、自民党の災害対策特別委員会が開催され出席しました。

なお、8月4日(水)、自民党の機関誌「自由民主」の冒頭のコラムに『日本経済再生に向け インフラ投資拡充を』という私の小文が掲載されました。
新型コロナウイルスの影響により日本経済が低迷する中、アメリカなどの諸外国と同様に経済対策として、脆弱な国土の強靱化や低水準の交通インフラの建て直しなど、インフラ投資の拡充を求めるものです。非常にタイムリーな提言となったと思いますので、全文を紹介させていただきたいと思います。

『日本経済再生に向け インフラ投資拡充を』

5月、内閣府が令和2度の実質国内総生産GDPを発表した。新型コロナウイルスの影響で前年度比4.6%減、オイルショックやバブル崩壊、リーマンショックを超え戦後最悪の下げ幅だ▼民間住宅投資が7.1%減、民間企業の設備投資が6.9%減と、民間投資が大幅なマイナス。一方、公共投資は4%増で、民間投資の減を公共投資が補っている構図である
▼世界各国でも、経済効果の大きいインフラへの投資拡大が始まっている。米国では、バイデン大統領が道路、港湾、鉄道の整備など今後8年間で1.2兆ドル、約133兆円規模のインフラ投資を経済対策として行うことを決定した。英国、豪州、中国など世界各国でも大規模なインフラ投資の動きがある▼我が国でも、新型コロナウイルス対策に万全を期しつつ、激甚な災害が毎年発生する脆弱な国土の強靭化や、諸外国と比較して低水準の交通インフラへの投資を拡充することにより、日本経済の再生を図る必要があると考える

【都内の動き】

8月2日(月)から4日(水)にかけて、来年の参議院議員選挙に向けて自由民主党から公認をいただいたことについてご報告するため、都内の建設会社の幹部の皆様にご挨拶に伺いました。
訪問先は伺った順で、戸田建設、清水建設、西松建設、大成建設、淺沼組、株木建設、五洋建設、東亜建設工業、安藤・間、不動テトラ、大豊建設、竹中土木、鹿島建設、熊谷組、前田建設工業、奥村組、大林組、東急建設です。今回伺えなかった皆様のところにも、改めて伺わせていただきますので、よろしくお願いいたします。

また、5日(木)には、宮地エンジニアリンググループ(株)の青田社長のご配慮で、本社のみならず、協力会社の上田(株)、大瀧ジャッキ(株)、内宮運輸機工(株)にもご挨拶に伺わせていただきました。青田社長には感謝を申し上げます。

【地方の動き】

新型コロナウイルスの感染状況を考慮しながら、各地に伺い建設業界をはじめとする皆様と意見交換をさせていただく取り組みを進めています。なお、私自身、7月3日(土)に2回目のワクチン接種を終えておりますが、必要に応じてPCR検査などを行いながら伺うようにさせていただいています。

そのような取り組みの一環として、7月29日(木)、熊本県に伺いました。
当初は7月5日(月)に伺う予定で熊本県建設業協会にご準備いただいておりましたが、7月3日(土)に発生した静岡県熱海市の土石流災害を受けて、自民党の緊急役員会や災害対策特別委員会が開催されるなど災害対応が必要となったため延期をお願いしたもので、今回、改めて土井会長のご配慮でセットしていただきました。
最初に、熊本市内で国、県、熊本市の土木関係のOB会を、国土交通省OBの山本さん、県OBの船原さん、市OBの藤岡さんをはじめとする皆様にセットしていただき、国政報告と意見交換を行わせていただきました。
その後、八代市に伺い、熊本県建設業協会の宇城、八代、人吉、芦北の各支部の役員の皆様に、国政報告をさせていただきました。会場にはご地元の金子恭之衆議院議員に駆けつけていただき、激励のご挨拶をいただきました。土井会長、前川専務理事、松村副会長兼人吉支部長、菊池宇城支部長、中山八代支部長、坂田芦北副支部長、豊後常務理事はじめ手配をいただきました皆様に感謝を申し上げます。

なお、熊本県八代市では、昨年7月の熊本南部の豪雨により被災した球磨川沿川地域の現地調査も行いました。被災後8回目の現地調査になります。
まず、八代市街地に近い萩原堤防で建設業協会八代支部の中山支部長、橋本理事と合流し、遥拝堰を視察したあと、県道中津道八代線を球磨川沿いに遡り、西部大橋を渡り、流失している深水橋を視察しました。その後、中谷橋を渡り、被災した八代市の坂本支所や坂本駅付近の復旧状況を視察しました。この地域では、被災した建物の撤去がかなり進んでいるように感じました。
続いて、仮橋で通行出来るようになっている坂本橋を渡り、先日仮橋が完成したばかりの鎌瀬橋を視察したあと、流失しているJR肥薩線の球磨川第一橋梁を視察しました。橋梁は落橋したまま手つかずで、ダメージは大変大きなものがありました。
その後、6月3日にプレオープンした「道の駅さかもと」と「さかもと復興商店街」に立ち寄りました。地域の復旧・復興の象徴となる施設ですが、新型コロナの感染拡大もあって、残念ながら必ずしも活気があるという状況にはありませんでした。お近くの方は、ぜひ一度お立ち寄りいただきますようお願い申し上げます。

なお、今回の視察では、地元の建設業はじめ関係者のご尽力で球磨川沿いの国道219号と県道中津道八代線が通行出来るようになっている状況や、落橋した橋が仮橋で通行できている状況は確認できましたが、被災した住宅などは全く手付かずのところも多く、残念ながら復興にはまだまだ時間がかかりそうに感じました。
一日も早く沿川の皆様が安心して暮らせるような状況となるよう、川辺川ダムをはじめ球磨川の治水対策に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
なお、ご同行いただきました国交省OBの森川さん、島本さん、山本さん、遠山さんに感謝を申し上げます

7月30日(金)、九州新幹線で新八代駅から川内駅に移動し、元九州建設青年部会会長の山本さんのご案内で、今回の豪雨の際に大きな効果を発揮したさつま町虎居地区の川内川の推込(しごめ)分水路に伺いました。現地で九州地方整備局川内川河川事務所の高島副所長から、平成18年災害を契機とした川内川の激特事業の整備状況と、7月の大雨特別警報が発出された際の出水に当たっての整備効果などについてご説明をいただきましたが、推込分水路を含めた川内川の激特事業や鶴田ダムの再開発の整備効果で、12時間雨量で今回の雨が平成18年を上回ったにもかかわらず、大きな被害が発生しなかったと説明を受けました。
私は本省の河川計画課長として、これらの事業を前提として、平成19年8月に川内川の河川整備基本方針を策定した立場ですので、整備効果が評価され大変うれしく思っております。

続いて、今回の豪雨の際に大きな洪水調節効果を発揮した川内川中流部の鶴田ダムに伺いました。鶴田ダムは、一時は緊急放流を実施する可能性があるとの発表もありましたが、結果的には緊急放流なしで乗り切ることができました。事務所には、地元の方々から「鶴田ダムの職員の皆さん、本当にありがとうございます」との手紙などもたくさん寄せられていました。
鶴田ダム管理所の三浦所長からは、堤体に穴を開けて放流設備を増設し、洪水調節容量を拡大した鶴田ダム再開発事業の効果と今回の出水時の対応などについてお話を伺いました。
ダム再生の全国のはしりの事業として、私も何度か工事中の現場を拝見させていただきましたが、その効果を頼もしく思うとともに、地球温暖化の進展に伴って今後こうしたダム再生事業を増やしていく必要があると痛感しました。

続いて、さつま町宮之城に伺い、鹿児島県建設業協会宮之城、出水、川内、甑島支部の幹部の皆様に国政報告をさせていただきました。会場には、ご地元の小里泰弘衆議院議員に駆けつけていただき激励のご挨拶をいただきました。国政報告会を開催いただきました四元支部長、鶴長支部長、廣瀬支部長、純浦支部長をはじめ協会の幹部の皆様に感謝を申し上げます。
続いて、姶良市に伺い、鹿児島県建設業協会の加治木、栗野、大口支部の幹部の皆様に国政報告をさせていただきました。こちらの会場にも小里泰弘衆議院議員にお越しいただき、激励の挨拶をいただきました。なお、森山ひろし衆議院議員の池田秘書にもご出席いただきました。開催いただきました塚田支部長、山口支部長、藤井支部長はじめ幹部の皆様に感謝申し上げます。
なお、協会の藤田会長、安藤専務理事には両会場ともご同行いただき、藤田会長にはそれぞれの会場で激励のご挨拶もいただきました。ありがとうございました。

8月6日(金)、鳥取県に伺いました。
鳥取砂丘コナン空港で、井木鳥取県建設政治連盟会長、米谷専務理事にお迎えいただき、ご一緒に倉吉市に移動し、鳥取県建設政治連盟と鳥取県建設業協会正副会長との意見交換会に出席させていただきました。政治連盟からは井木会長、山根幹事長、建設業協会からは井中副会長、岡田副会長、松澤副会長にご出席いただき、私から国政報告を行い、意見交換をさせていただきました。国交省OBの藤原さん、鈴木さん、神宮さんにもご同席いただきました。

続いて、7月の豪雨災害の被災現場を視察しました。最初に、国道179号の土砂災害の現場と富海川の河岸浸食の現場を、門脇鳥取県中部総合事務所長と酒本鳥取県中部総合事務所県土整備局長のご案内で調査させていただきました。災害発生直後に建設業の皆さんがスピーディーな対応をされ、孤立解消にご尽力されたことなど、ご説明がありました。
続いて、北栄町のため池決壊現場を、妹尾鳥取県中部総合事務所農林局長のご案内で視察しました。被災現場には北栄町の松本町長に駆けつけていただき、被災状況を詳しくご説明いただきました。2段になっているため池の上流側の堤防が越流により決壊し、下流側の堤防からも越流が確認できました。付近には幸いにも家屋はありませんでしたが、農地には大きな被害が出ていました。老朽化が懸念されているため池の防災対策強化の必要性を改めて痛感しました。

災害調査のあと、鳥取県出身の大先輩の参議院議員「坂野重信」先生の顕彰碑のある国道9号沿いの「道の駅北条公園」に立ち寄りました。
坂野先生は、旧建設省出身の土木の技術屋で、私も務めた河川計画課長、河川局長(私の場合は水管理・国土保全局長)、技監などのポストを歴任されており、事務次官で退官された後は、参議院全国区で建設産業の代表として2期ご活躍いただき、3期目からは鳥取地方区に移られ、ふるさと鳥取のためご尽力いただくなど、計5期務められました。その間、自治大臣や国家公安委員長、自民党の参議院議員会長などを歴任されており、その偉業には心から敬意を表したいと思います。
ご同行いただきました松本北栄町長はじめ国土交通省OBの藤原さん、鈴木さん、神宮さん、ありがとうございました。

8月7日(土)、兵庫県豊岡市で開催された「北近畿豊岡自動車道・山陰近畿自動車道早期実現促進大会」に、ご地元の谷公一衆議院議員、末松信介参議院議員、加田裕之参議院議員とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。
先日の知事選挙で当選されたばかりの斉藤知事も出席され、力強いご挨拶をいただきました。
私の母の出身が兵庫県朝来市和田山町で北近畿豊岡自動車道のルート上にあたり、また私自身も平成15年度から3年半の近畿地方整備局企画部長在職時から再三促進大会に出席させてきていただいており、大変ご縁のある大会です。引き続き、但馬地域の観光や物流のみならず、防災の観点からも重要な高規格道路の整備に向け、皆様と一緒に頑張っていきたいと考えています。大会には、兵庫県建設業協会の川嶋前会長や中川豊岡支部長をはじめ地元の建設業の皆さんにもご参加いただきました。感謝を申し上げます。
なお、大会に先立ち、両自動車道の整備に係る要望会にも出席させていただきました。県やご地元の市町の皆様の強烈な熱意が整備促進への力強い後押しとなっており、心から感謝を申し上げたいと思います。

【建設分野のトピックス】

8月3日(火)、国土交通省は、令和4年度予算概算要求の基本方針をまとめ、自民党国土交通部会に報告しました。
気候変動により激甚化・頻発化する自然災害に対して、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を計画的に進めるとともに、流域治水の本格的展開等に向けた取り組みを推進することとしています。
全体の柱としては、「国民の安全・安心の確保」、「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」、「豊かで活力ある地方創りと分散型国土づくり」とすることとし、5か年加速化対策や新型コロナウイルス感染症に対応するための経費は、金額を盛り込まない「事項要求」として予算編成段階で検討することとされています。なお、静岡県熱海市の被害を踏まえた総合的土砂災害対策の強化、千葉県八街市の事故を受けた通学路の交通安全対策についても、力を入れて取り組むこととされています。