足立としゆき夢だより【第186号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

9月3日(金)、突然、菅義偉総理が次の総裁選には出馬しないことを表明されました。出張先の長崎の被災地でそのニュースを伺いましたが、大変驚きました。
まずは、コロナ対策をはじめ数々の困難に立ち向かってこられた菅総理の取り組みに心から感謝を申し上げたいと思います。

一方、宏池会会長の岸田文雄元自民党政調会長は、8月26日(木)、記者会見を行い、自民党総裁選への出馬を表明されました。それに先立ち、宏池会例会で決意表明をされましたが、真剣な眼差しで、気迫溢れるご挨拶でした。

9月4日(土)には宏池会の事務所に岸田会長がお見えになり、リモートで沖縄の皆さんと意見交換を行いました。
コロナによる観光業への影響、沖縄に多い中小企業への支援のあり方、沖縄における子育て支援のあり方などについて意見が交わされました。岸田会長からは、コロナ対策については国難であり、経済対策を含めしっかり財政出動をして対応しなければならないとのご発言がありました。心強い限りです。
29日(水)の総裁選に向け、着実に歩を進めていただきたいと思います。

さて、9月5日(日)、東京パラリンピック2020が閉会式を迎え、熱戦の13日間が終了しました。感動的な開会式にはじまり、毎日TVにくぎ付けとなり、車椅子ラグビーや車椅子バスケットボールなど身体と身体のぶつかり合いに胸を熱くするとともに、ボッチャやアーチェリー、ゴールボール、ブラインドサッカーなどパラリンピアンの超絶技巧に大変驚きました。素晴らしい大会に心から感謝を申しあげます。

ところで、首都圏では、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向に転じてきました。このまま、沈静化していくことを願ってやみません。しかしながら、若年層の感染者数の増加や、重症者数の増加は続いており、引き続き警戒は緩めずにお過ごしいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

その他、最近の動向は次の通りです。

【災害被災地調査】

8月は、台風9号・10号から長期間続いた前線による豪雨のため、長崎県、佐賀県、福岡県、広島県に大雨特別警報が発令されるとともに、西日本や中日本など広範囲にわたり豪雨に見舞われ、大きな被害を生じました。雨量の総量は、平成30年の西日本豪雨に匹敵すると、井上水管理・国土保全局長から伺いました。
その結果、六角川や筑後川、江の川、飛騨川など近年何度も被災している川で再び大きな浸水被害を生じました。ただし、これまで講じてきた対策が功を奏し、西日本豪雨の際に各地で生じた本川の破堤など壊滅的な被害にまでは至らず、内水による浸水被害は生じたものの、その被害は最小限にとどまったと思っています。
一方、長期にわたる出水により、越水はしなくても河岸の浸食による河川構造物の損壊や、鉄道橋の洗堀による被災、大量に水を含んだことに伴う地すべりの発生などが各地で見られたのが、今回の災害の大きな特徴だと思います。
お盆の期間をはさみ、24時間体制で災害対応に頑張っていただきました国土交通省をはじめ、警察、消防、自衛隊の皆さん、さらには現場対応を行っていただいた地域の建設関連産業の皆さんに、心から感謝を申しあげます。

(福岡県)
8月24日(火)、福岡県久留米市に伺い、福岡県建設業協会久留米支部の大石支部長、鳥越副支部長、福岡県土木組合連合会久留米支部の髙木支部長、つじ理事から、被害の状況や両支部の対応について、資料や写真を用いて丁寧にご説明いただき、豪雨災害への対応のあり方などについて意見交換させていただきました。
その後、市内の浸水現場を訪れ、当時の状況などについて伺いました。久留米市は4年連続で浸水被害に見舞われており、内水対策の拡充の必要性を痛感しました。
今回このような機会を設けていただきました福岡県建設業協会の松本会長、当日同行いただいた井上専務に感謝申し上げます。また、ご案内いただいた国土交通省OBの後藤さんありがとうございました。

(佐賀県)
8月24日(火)、福岡県から佐賀県に移動し、みやき町役場で佐賀県建設業協会の松尾会長、牟田副会長、山﨑専務理事と合流して、みやき町の寒水川上流の地すべり災害の現場に伺いました。地すべりで押し出された土砂により寒水川の流路が塞がれ、道路も通行止めとなる甚大な被害でした。
現地では佐賀県東部土木事務所の宮崎所長に説明をしていただきました。佐賀県建設業協会鳥栖支部の原理事、大島理事にも駆けつけていただきました。

次に、神埼市の志波屋地区三谷の土石流の現場に伺いました。土石流が家屋や棚田を襲い、流木によって怪我をされた方もおられたと伺いました。お見舞いを申し上げます。現地では佐賀県東部農林事務所の藤所長にご説明いただきました。
続いて、神埼市役所を訪問し、松本市長と今回の災害について意見交換を行いました。市長からは上流の城原川ダムについて出来るだけ規模を大きくするよう要請を受けるとともに、迅速な避難が可能なまちづくりについてお考えを聞かせていただきました。
建設業協会の松尾会長、神埼支部長でもある牟田副会長にもご同席をいただきました。

続いて、佐賀市の弘学館中学校・高校の西側を流れる金立(きんりゅう)川の砂防堰堤の建設現場に伺いました。
県の佐賀土木事務所の川口所長と現場の施工を担当している松尾建設の西元土木本部長に現地で説明をいただきました。建設業協会佐賀支部の野田支部長にも駆けつけていただきました。
ここでは、砂防堰堤の工事が9割方進んでいましたが、竣工前であるにもかかわらず今回の大雨により流出してきた大量の土砂を貯め込み、下流の被害を軽減したことが確認できました。土砂を鋼製スリットの高さまで約7千?ほど貯め込んだと聞きました。
これは、令和元年の19号台風で、試験湛水中ではありましたが八ッ場ダムが大量の水を溜め込み、下流の利根川の洪水被害を軽減させたことを彷彿とさせる「砂防版八ッ場ダム」とも言える事例と考えられました。この効果について、広く市民の皆さんにも知っていただきたいと思います。

その後、武雄市の橘地区に伺い、六角川の内水氾濫により1.8mの浸水被害を受けた佐賀県建設業協会の杵島支部長でもある山崎副会長の会社を訪れました。山崎副会長からは、2年前を大きく上回る被害であったと伺いました。
また、周辺の被災状況を山崎副会長はじめ地元の小田区長、消防団の野田分団長らとともに見て回りました。船での避難を余儀なくされるなど深刻な浸水被害に見舞われた状況を、佐賀県杵藤土木事務所の宇曽谷所長からも伺いました。
なお、地元の国土交通省武雄河川事務所の阿部所長にも駆けつけていただき、今回の対応状況と今後の対策の方向性についてお話を伺うことができました。ありがとうございました。
六角川の河川整備基本方針は、私が本省の河川計画課長の際に策定しましたが、今回は当時の想定を超える大雨だったことから、方針の見直しと新たな貯留施設の必要性を痛感させられました。

なお、県内の全行程をご同行いただききました建設業協会の松尾会長、山﨑専務には大変お世話になりました。心から感謝を申し上げます。また、ご同行いただきました国土交通省OBの後藤さん、足立さん、福山さん、光武さん、ありがとうございました。

(富山県)
8月30日(月)、富山県に伺いました。
北陸新幹線の新高岡駅で、氷見市元副市長の前辻さんと氷見建設業協会の畑尻さんにお迎えをいただきました。国土交通省OBの川岸さんにも駆けつけていただきました。
氷見市に伺う前に、7月の市長選挙で初当選された高岡市の角田市長を訪問しました。市長からは、国道8号の整備や、全国初の取り組みである能越自動車道福岡PAの相互乗り入れなどについてご要望をいただきました。

その後、氷見市建設業協会に伺い、協会の森越会長、富山建設業協会氷見支部の西川支部長はじめ幹部の皆様、氷見市消防団の西川団長はじめ副団長の皆様、地元の薮田県議にご参加いただき、意見交換をさせていただきました。国土交通省OBの田中さんにも合流いただきました。
意見交換では、市管理の準用河川についても法河川同様に堤防強化のため天端舗装をすることや、民間ボランティアの消防団にも災害時にご活躍いただいていること、建設業の人材確保のため建設産業の働き方改革が大事であること、地域の守り手として活動するために予算の確保が不可欠であることなど、活発なご意見をいただきました。

続いて、二級河川泉川の浸水常襲地に伺い、氷見市の林市長、薮田県議、氷見市議会の萩山議長はじめ市議会の皆様、地元の嶋自治会長などの皆さんと合流しました。現地では、富山県氷見土木事務所の釣谷所長からご説明をいただきました。
JR氷見線の鉄橋がボトルネック状態となっており、橋梁の架け替えに向けて、県・市、JRで協議中とのことでした。

続いて、岩瀬地区の地すべり被害の現場に伺いました。こちらも氷見市の林市長をはじめ県議会、市議会の先生に立ち会っていただきました。
富山県高岡農林振興センターの森林整備課からご説明をいただきましたが、かなり広範囲の地すべりで、畑地に3m以上、部分的には5m近い段差が生じていました。近くに民家は無いものの、沢沿いの300mから400m下流に民家があり、一時避難をされたとのことです。
なお、地すべり対策では、「切り」「盛り」「抜き」「刺し」の順の対応、すなわち切り土、盛り土、水抜き、アンカーの順の対応が鉄則であり、それらを徹底され、1日も早く全体の動きを安定させることが重要と考えます。

その後、国道415号の熊無地区に伺いました。道路面に地すべりの可能性も考えられるクラックが入っており、片側車線が若干下がっている状況で、片側交互通行になっていました。
大型トラック等も通行する富山県と石川県を結ぶ重要な路線であり、過去にも地すべりが発生した地点でもあるため、早急な対策が必要です。
続いて、熊無地区の公民館に立ち寄り「国道415号熊無神子原区間整備計画策定推進協議会」の瀬戸さんから地域を代表して、早期整備のご要望をいただきました。
この地区に伺うのは3度目であり今回異常を生じている状況も見させていただきましたが、土砂災害警戒区域の中に道路が位置し、事前通行規制をかけるなど地域の皆様に大変ご迷惑をお掛けしている区間でもあり、富山、石川両県と国土交通省北陸地方整備局が協力して実施している調査を踏まえ、早期整備をしていく必要があると改めて感じました。

最後に、県道氷見田鶴浜線の森寺地区の土砂崩れ現場に伺いました。現地は通行止めとなっていますが、道路脇に民家もあり、大変危険な状態でした。
地域住民の皆さんは、避難されておられますが、後かたづけで近くにおられた住民の方々や、現場の応急復旧にあたっている干場建設の仲村土木課長から、被災時のお話を伺うことができました。石川県につながる大事な路線でもあり、早期復旧が求められています。

なお、終日ご同行いただきました森越氷見建設業協会長はじめ地元の建設業の皆さん、各現場でご説明いただきました林氷見市長、薮田県議、氷見市の萩山市議会議長はじめ市議の皆さん、国土交通省OBの田中さん、県市の担当の皆さんに感謝を申し上げます。
そして、新高岡駅でお迎えをいただき、最後に新高岡駅までお送りいただいた前辻さん、畑尻さんにも改めて感謝を申し上げます。

(長野県)
8月31日(火)、長野県に伺いました。
松本駅で長野県建設業協会の木下会長、清澤副会長、大月特任理事、国土交通省千曲川河川事務所の斎藤所長、長野県建設部の田中次長等と合流し、被災地へ向かいました。
まず、塩尻市の長野県が管理している奈良井川の今村橋に伺いました。
現地では、奈良井川改良事務所の宮川所長、松本建設事務所の野々口整備課長から、被災状況等についてご説明をいただきました。左岸上流側の堤防の欠損が確認されており、避難指示が出たとのことでしたが、既に応急復旧がなされていました。
なお、橋梁の架け替えのため仮橋を設置していましたが、橋脚が洗掘され危険な状態のため通行止めとなっており、施工中の橋梁の応急工事を行って歩行者と自転車の交通を確保しているとのことでした。臨機応変な対応に感謝申し上げます。

続いて、松本駅から上高地に向かう時に乗車するアルピコ交通上高地線の田川橋梁に伺いました。
大雨による県管理の田川の増水で橋脚部分が洗掘され、鉄橋が傾く被害が出ていました。現在も松本駅~新村駅間で運休が続き、バスによる代替輸送が行われているとのことです。なお、私の親戚の高校生もこの代替輸送で通学しており、早期復旧をお願いされています。
現地では、アルピコ交通の二條取締役中南信支社長よりご説明をいただきました。通勤通学など生活路線として、また観光や登山愛好家の皆さんにとっても大事な路線であり、国、県、市などと協議して、一日も早く運行できるように私も努力してまいりたいと思っています。

続いて、松本市上大妻地先の信濃川水系犀川(直轄管理区間)の堤防欠損箇所に伺いました。現地では千曲川河川事務所の斉藤所長にご説明いただきました。
また、緊急復旧工事を担当いただいた地元の建設会社の㈱フカサワイールの深沢社長、現場で対応された渡邉さんからもお話しを伺うことができました。長時間の出水により侵食された堤防の復旧工事を、24時間体制で5日間行い、緊急復旧工事を完成されたそうです。
そうした建設業の皆さんのご尽力で決壊が免れており、まさに「地域の守り手」の活躍で未然に災害が防ぐことができたわけです。ありがとうございました。

その後、今回の災害で残念ながら人的被害が出た岡谷市川岸東の土砂災害の現場に伺いました。現地では、県の諏訪建設事務所の木村所長にご説明いただきました。また、国土交通省OBの松尾さん、荒木さんにも合流いただきました。
先ずは、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするため、被災現場で黙祷をさせていただきました。
現地は、8月15日午前5時半ごろ土石流が発生し、住宅に土砂が流れ込み、この住宅におられた8人のうち5人が巻き込まれ、全員消防に救助されましたが、このうち3人が残念ながらお亡くなりになられたとのことでした。
現場は、下諏訪辰野線沿いに住宅の並ぶ場所で、裏山には中央高速道路があり2m×2m程度のボックスカルバートを土石流が通り抜け、住宅の2階部分に流れ込んでいました。付近は、平成18年にも大規模な土砂崩れが発生しており、今回の大雨ではその際に整備した数カ所の砂防施設が下流への土砂流出を食い止めたとのことでした。
今後の対策として、応急的に土砂受けの蛇籠を設置するとともに、被災地の安全確保のため砂防堰堤の整備を進めるとのことでしたが、早期整備の必要性を強く感じました。

最後に、木曽町福島上町の木曽川の護岸崩落箇所に伺いました。現地は木曽町の原町長、大畑県議にご案内いただき、県の木曽建設事務所の小林所長に状況説明をいただきました。
護岸崩落箇所は、旧中山道と木曽川に挟まれた場所に12軒の商店や住宅が建ち並び、そのうち6軒は空き家で、6軒の方が避難されているとのことでした。今後の改修工事に関しては、町、県、国と協議を行い、まちづくりを含め抜本的に考える必要性があると感じました。
なお、上流にある水資源機構の味噌川ダムが水位を下げる効果を果たし、被害を軽減したとの説明もありました。

終日、長野県建設部田中次長はじめ行政の皆さんにご同行いただき、ありがとうございました。
そして、朝の松本駅から、帰りは上諏訪駅の予定を新幹線の長野駅に急遽変更しお送りいただきました大月特任理事に感謝を申し上げます。ありがとうございました。

(岐阜県)
9月1日(水)、岐阜県に伺いました。
新幹線の名古屋駅を経由し、中津川駅で岐阜県建設業協会の各務会長、鳴海副会長(恵那建設業協会理事長)、池戸専務理事、国交省OBの塚原さん、武藤さんにお迎えをいただき、まずは、青山中津川市長、平岩県議、森県議との意見交換会に伺いました。
青山市長からは、今回の豪雨災害の状況をご説明いただくとともに、放棄地の森林崩壊や農地崩壊などにより住宅災害や道路被害などがかなり増えているため日頃から適正な管理が必要であること、予防対策や安全対策などの予算確保が必要なことなど、ご要望をいただきました。

続いて、大雨の影響で通行止めとなっていた中津川市落合の国道19号の現場に伺いました。現地で国土交通省多治見砂防国道事務所の加藤所長にご説明をいただき、中津川市からも高橋局長、小倉部長等にもご同行いただき、お話を伺いました。
道路の通行止めは、山側で発生した土砂崩れによるもので、国道下を横断する管路に土砂が入り、水が流れにくくなり道路面を流れた結果、路肩から順次崩落し通行止めとなったものです。なお、現在は片側交互通行で通行可能となっています。
応急復旧工事にあたられた吉川工務店の吉川社長からは、10日間24時間体制で工事に当たられた現場のご苦労の声をお聞かせいただきましたが、現地で頑張った地域の建設業の皆様に感謝を申し上げたいと思います。

続いて、中津川市手賀野の中津川の被災現場に伺いました。現地では県の恵那土木事務所の棚瀬所長にご説明をいただきました。また市議会から岡崎議長、島崎議員に駆けつけていただき、中津川市の早川建設部長にもご同行いただきました。
現地では高水敷に水が乗り、それによって低水護岸が被災し、駐車場などに利用されている高水敷のコンクリートの一部も大きく被災していました。ふだんは憩いの水辺として利用されている空間にも出水時に大変な流速で洪水が流れ、大規模に浸食されたことが窺い知れました。

続いて、増水した飛騨川沿いの国道41号の道路の一部が流失した下呂市萩原町花池の被災現場に伺いました。現地では、下呂建設業協会の島理事長、今井副理事長、金子副理事長、今井県議、下呂市の田口副市長、一木市議会議議長にもご参加いただき、国土交通省高山国道事務所の栗山所長からご説明をいただきました。
現場は、護岸や歩道が約100メートルにわたり崩落し、車道の一部が流されていました。一時、全面通行止めとなっていましたが、現在は片側交互通行で通行可能となっています。
応急復旧にあたった日産工業の熊崎土木工務部長から6日間24時間体制で工事を行った現場の声をお聞かせいただきました。現場で頑張っていただいた建設業の皆さんに感謝したいと思います。

さらに、昨年7月の豪雨で今回と同様、飛騨川の出水により下呂市小坂町門坂地区の国道41号が約500メートルにわたり崩落した現場に伺いました。この現場は、昨年7月15日に視察しましたが、下呂・高山間の国道とJR高山線が通行止めとなる激甚な災害で、地域からは早期復旧が念願されていました。
本年7月28日に復旧作業が終わり全面開通しており、上流の橋の欄干に地域の皆様から工事関係者に『ありがとう』の横断幕が掲げられていたのが、印象的でした。
今回の行程を調整いただき、終日ご案内いただきました建設業協会の各務会長、池戸専務理事、國枝課長補佐に感謝を申し上げます。また、ご同行いただいた国土交通省OBの塚原さん、武藤さん、加藤さん、中村さん、山口さんにも感謝を申し上げます。ありがとうございました。

(長崎県)
9月3日(金)、長崎県に伺いました。
長崎空港で長崎県建設業協会の谷村会長、根〆副会長、山下専務理事、国土交通省OBの楠本さん、石橋さんと合流し、大村市荒瀬町の郡川の河川改修事業と郡川水系佐奈河内川の災害復旧助成事業の現場に伺いました。
建設業協会大村支部の富永支部長、岡山さん、高瀬さんにも現地で合流いただき、県の中央振興局の鈴田建設部長から郡川、佐奈河内川の昨年の災害の概要と事業効果についてご説明をいただきました。

続いて、長崎市宮摺町の県道野母崎宿線の道路通行止めの現場に伺いました。現地で建設業協会長崎支部の川島支部長にも合流いただき、県の長崎振興局の佐々建設部長にご説明いただきました。
8月13日未明、約50メートルにわたって道路の変状が発生して全面通行止めとなっており、路線バスも運休している状況でした。被災後ただちに応急復旧に入っている西海建設の山田課長から発生以来24時間体制で工事に当たった現場の声をお聞かせいただきました。
なお、現在は通行止めの道路の山側に仮設の歩道が設置されており、歩行者の行き来が出来るようになっていますが、迂回路が遠いため1日も早い全線開通が望まれています。

続いて、雲仙市役所に伺い、建設業協会島原支部の小場、柴崎副支部長、寺尾、宅島理事に合流いただき、市役所の会議室で金澤市長から被災状況についてご説明をいただき、担当者から詳細な報告をいただきました。
その後、金澤市長のご案内で、雲仙市小浜町の向平川砂防堰堤を視察し、県の島原振興局の大我建設部長からご説明をいただきました。
続いて、小地嶽地区の土石流の現場に伺いました。今回の災害で残念ながら3名の犠牲者が出た現場です。まず、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするため黙祷をさせていただきました。
現地では、県の島原振興局の宇土林務課長にご説明とご案内をいただきました。
13日午前4時ごろ、雲仙温泉街の中心部から約1km山あいにある旅館などが点在する地域で土石流が発生し、民家2軒に土石流が流れ込み大きな被害が発生しました。
災害直後から応急復旧に入っている柴崎建設の中島さんから工事に当たられた現場の声をお聞かせいただきましたが、現場は、柔らかい泥土で重機を入れるのも大変な状況で、作業員も腰までつかりながら泥土に混じった巨石を砕きながら道を作り大型土のうを設置し、二次災害からの住民の不安を取り除くことにより道路の開放に繋がったとのことでした。
続いて、県道雲仙千々石線の昨年6月に対策完了した道路の法面保護工を視察しました。

その後、諫早市の本明川に伺いました。現地には、大久保市長にも駆けつけていただき、また建設業協会諫早支部の中嶋支部長に合流いただき、国土交通省長崎河川国道事務所の金井所長から、緊急3か年対策と国土強靭化5か年加速化対策の概要、建設中の本明川ダムによる洪水調節効果を含めた本明川水系の流域治水プロジェックトについてご説明いただきました。
本明川ダムについては、何度も担当した経緯がありますので、何とか早期完成を図りたいと思っています。

なお、終日ご案内いただきました建設業協会の谷村会長、根〆副会長、山下専務理事、ご同行いただきました国土交通省OBの楠本さん、石橋さんに感謝を申し上げます。ありがとうございました

【その他の動き】

8月19日(木)、奈良県建設業協会の理事会が開催され、WEBで参加させていただき、山上会長から来年の参議院議員選挙に向けた推薦状をいただくとともに、国政報告を行い、意見交換をさせていただきました。会長からは、特に公共事業予算の確保についてご要望をいただきました。ありがとうございました。

8月23日(月)、東京都の小池知事による「国の施策及び予算に対する提案要求協力要請会」が開催され、鴨下一郎都連会長をはじめ下村博文政調会長、萩生田光一文科大臣、丸川珠代オリンピック担当大臣、井上信治内閣府特命担当大臣、都連所属の自民党の衆参国会議員が多数参加して、意見交換が行われました。
まず、新型コロナウイルス対策に関して、ワクチン、人流抑制、財政支援の3点の緊急要望がありました。
続いて、「首都東京の活力を増進させ、我が国の成長と発展を促す要望」について説明が行われ、そのうちインフラ整備の関係では、
①空港・港湾機能の強化
②外郭環状道路をはじめ高速道路ネットワークの早期完成
③大規模水害対策や都市型水害対策の推進
④建築物の耐震化や木造住宅密集地域対策の推進
などの要望がありました。
私としても、首都東京が、世界的に誇れる強靱で美しい都市となるよう、積極的にインフラ整備を進めて行くことが必要と考えています。

9月2日(木)、川崎市麻生区のアジア航測(株)の本社に伺い、DX等の取り組みについてご説明いただき、それを踏まえてオンラインで参加されている方々を含め意見交換をさせていただきました。
私からは、①迅速な災害対応のため航空写真を用いた3Dモデル化が重要な手段となること、②流域治水の一環として荒川下流で行っているような高密度3次元点群データを活用したハザードマップの整備が急がれること、③構造物の老朽化の把握にも写真を活用した3次元点群データが期待できること、などの意見を申し上げました。
このような場を設けていただきました小川社長をはじめ幹部の皆様に感謝を申し上げます。

【建設分野のトピックス】

8月31日(火)、各省庁から財務省に対して令和4年度概算要求書が提出されました。
国土交通省分については、公共事業関係費が6兆2,492億円と対前年比1.19倍になっていますが、これはシーリングと呼ばれる概算要求基準に基づき最大限要求しているもので、これから年末の決着に向け、財務省は1.00倍程度まで圧縮するための査定を行うこととなります。我々としては、可能な限り、公共事業予算を確保できるように頑張りたいと思っています。
国土交通省の概算要求の基本方針では、気候変動により激甚化・頻発化する自然災害に対して、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を計画的に進めるとともに、流域治水の本格的展開等に向けた取り組みを推進することとしています。
全体の柱としては、「国民の安全・安心の確保」、「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」、「豊かで活力ある地方創りと分散型国土づくり」とすることとし、5か年加速化対策や新型コロナウイルス感染症に対応するための経費は、金額を盛り込まない「事項要求」として予算編成段階で検討することとされています。なお、静岡県熱海市の被害を踏まえた総合的土砂災害対策の強化、千葉県八街市の事故を受けた通学路の交通安全対策についても、力を入れて取り組むこととされています。

なお、概算要求書の提出の前には、連日のように、党の部会や議連の会合が開催され、関係省庁から概算要求の内容について説明が行われました。私も、国土強靭化本部の会合や国土交通部会、下水道・浄化槽対策特別委員会、治水対策議員連盟の会合などに出席しました。