足立としゆき夢だより【第284号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

4月も後半となりました。すっかり暖かくなり初夏を思わせるような日も多くなってきました。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

そのような中、4月17日(水)23時過ぎに豊後水道を震源とするマグニチュード6.4の地震が発生し、愛媛県愛南町や高知県宿毛市で震度6弱を観測しました。被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げますとともに、揺れの大きかった地域では、今後の余震や土砂災害に十分注意するようお願いいたします。また、緊急対応をされました国土交通省や自治体の皆さん、道路や河川の巡視や応急対応を行っていただいた建設関連産業の皆様に感謝を申し上げます。

さて、4月16日(火)、再び能登半島地震の被災地調査に伺いました。これまで氷見市、七尾市、穴水町、輪島市、珠洲市、志賀町、羽咋市、内灘町、かほく市など3回(4日間)、調査に入りましたが、今回、改めて輪島市、珠洲市に入り、復興に向け取り組んでおられる状況を調査しました。
まず、能登空港で石川県建設業協会の鶴山副会長、地中常務理事、西出参与、鳳輪建設業協会の高木会長、二俣副会長、輪島建設協同組合の竹林理事長、刀禰理事にお迎えいただきました。これまで、羽田空港と能登空港間は1日1往復の臨時便が週3回運航してきていましたが、復旧工事が進んで空港までの道路状況が改善したため、15日(月)から羽田便が1日1往復、毎日運航することとなりました。復旧・復興の推進のためにも重要なことであり、関係の皆さんのご尽力に敬意を表します。

まず最初に、災害ごみの分別処分場となっているグラウンドに伺い、現地で㈱タケエイの責任者の清田さんにシステマティックに行われている処分の状況をご説明いただきました。
次に、輪島市熊野町の河原田川河道閉塞現場に伺いました。一時、天然ダムのような状況となったとのことでしたが、国による権限代行で大規模な土砂崩壊に伴う河道の閉塞は解消されていました。
次に、輪島市内のビル倒壊現場や朝市通りの火災の現場を視察しましたが、2月に訪れたときと大きな変化はなく、復旧作業は緒に着いたばかりという状況でした。
続いて、地震により地盤が隆起した輪島港の復旧のため、16日から始まった浚渫工事の状況を視察しました。漁協の中村さん、佐渡さんから「1日も早く港を復旧しないと漁師たちは輪島に戻ってこなくなる」との切実なお話を伺い、早期復旧を要請されました。

次に、輪島市役所に伺い、坂口市長から復旧状況等についてお話を伺いました。市長からは、公費解体に当たって地権者や相続を受けている方々と解体に対しての合意をいただくのに時間がかかり苦慮しているとのお話しをいただきました。
また、「今回の震災後のインフラの状況を検証すると、強靭化予算で整備を行ったところは事業効果が現れていて壊れていない、今後も強靭化予算で事前に整備を進めておくことが大事だ」とのお話しをいただきました。今後の参考にしたいと思いました。
なお、輪島市の復興まちづくりに当たっては、市として建築家の隈研吾さんに相談しており、全面的に協力をいただくことになっているとのことでした。かつてのたたずまいを再生するために大事な取り組みであり、期待したいと思います。
次に、輪島建設協同組合が行っている公費解体の現場に伺いました。老朽化したスーパーマーケットを解体している現場で、撤去後は復興住宅が建てられるとのことでした。
続いて、地震により大規模な土砂崩れが発生した輪島市市ノ瀬地区に伺いました。山頂付近から大規模に土砂崩壊を起こしており、複数の家屋が土砂に巻き込まれ、現在も安否不明の方がいらっしゃるとのことでした。現在、国による権限代行で対応が行われており、その取り組みに期待したいと思います。

続いて、珠洲市役所で珠洲建設業協会の明星会長、大濱専務理事と合流し、珠洲市浄化センターに伺い、下水道施設の復旧状況について珠洲市の大宮環境建設課長にご説明いただくとともに、圧送管路の代替管路布設状況等を視察しました。応急的に直径30cm程度の塩ビパイプを道路に這わせて仮復旧が行われていました。
次に、蛸島漁港付近の公費解体が始まった現場に伺いました。周辺では、ほとんどの住宅が倒壊したり、倒壊寸前まで損傷していましたが、同意が取れた家屋から順に解体を行うこととしていると伺いました。なお、市内の約6000世帯の内、倉庫や納屋を含め約5500棟の建物が解体対象家屋とのことで、被災状況の深刻さを改めて痛感しました。なお、家屋は個人財産なので同意をいただき解体するのにかなり時間がかかるとのことでした。
次に、ため池である亀ケ谷池に水資源機構が給水支援のため設置した2機の「可搬式浄水装置」を視察しました。現地に派遣されてきている水資源機構の佐々原さんからご説明をいただきましたが、この設備により、1機あたり1時間に2㎥浄水処理してタンク車で供給しているとのことでした。この水は、水質検査をクリアし、飲料水として利用されており、これまでにトータルで4,500㎥を超える量を届けているとのことでした。私も試飲させていただきましたが、純水に近い水は飲用にも全く問題ありませんでした。

次に、珠洲市役所に伺い、泉谷市長と総務省消防庁から派遣されている中村さんから復旧状況についてお話を伺いました。
市長からは、上下水道の復旧状況、被災し不通となっている国道249号大谷トンネルや逢坂トンネル等の復旧見込み、迂回路の大型車両通行可能とするための整備のあり方、魅力ある復興住宅の整備等についてご要望をいただきました。なお、街並みの復旧に当たっては、珠洲市では坂茂さんという著名な建築家と相談しており、現地にも来ていただいているとのことでした。住みたくなる街の再生のため、大いに期待したいと思います。
その後、宝立浄水場を視察し、モバイルシフォン設備という浄水装置を見させていただきました。この施設で川の水を浄化して飲料水に使っているとのことでしたが、水道施設は市全体で約3割の復旧状況とのことであり、こうした浄水施設による応急対応の重要性を改めて感じました。
その後、国土交通省能登復興事務所に伺い、七尾鹿島建設業協会の田村会長にご同席いただき、杉本所長に今回の調査状況を報告させていただきました。所長からは、覆工コンクリートが崩落した中屋トンネルや大谷トンネルの復旧方法や市ノ瀬地区の今後の復旧についてご説明をいただきました。事務所には、20名を超えるスタッフが全国から派遣されて来ており、活気に溢れていました。

このように、全国から様々な支援をいただきながら、少しずつ能登の復旧・復興は進みつつあります。一日も早く能登の復旧・復興が進み、避難されている皆さんが故郷に戻れるよう、できる限りの支援をしてまいりますので、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

以下、最近の動きを報告します。

【国会の動き】

4月9日(火)、参議院財政金融委員会が開催され、植田日本銀行総裁から報告のあった「日銀報告」を議題にして質疑が行われるとともに、「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」 、いわゆるIMF法等の一部改正案について、鈴木俊一財務大臣から趣旨説明がありました。
3月19日に植田総裁からゼロ金利政策解除の発表がありましたので、今回の質疑はその点について大いに注目を集めました。

4月11日(木)、参議院財政金融委員会が開かれ、「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」 、いわゆるIMF法等の一部改正案について、鈴木俊一財務大臣等に対して質疑が行われ、賛成多数で可決することができました。

4月12日(金)、財政金融委員会で可決した「国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案」 について、衆議院本会議で委員長報告を行い、賛成多数で可決・成立させることができました。この法律は、世界経済が危機に見舞われている中、加盟国が直面する課題への対応に国際通貨基金(IMF)が一層貢献できるよう、その融資能力を強化することを目的とするもので、法案の成立により責任を果たせたと思います。
なお、財政金融委員会としては今国会3本目の法案成立となりました。

4月15日(月)、衆議院と参議院の議長・副議長や各委員会の委員長が天皇陛下への拝謁を行わせていただきました。委員長になると様々な公的行事にも参加させていただくということを改めて実感させていただきました。

この他、本会議や財政金融委員会の理事懇談会、理事会に出席しました。

【自民党の動き】

4月1日(月)、「ITS推進・道路調査会 無電柱化小委員会」の視察で「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる「巣鴨地蔵通り」の電線地中化の取り組みを、遠藤利明委員長や宮内秀樹事務局長とともに、事務局次長という立場で視察させていただきました。電線地中化を行うことで、空が広がり、街がすっきりすることがよくわかりました。
現地でご説明いただいた国土交通省道路局の長谷川審議官、伊藤環境安全・防災課長をはじめ東京都、豊島区、東京電力の皆さん、ありがとうございました。

4月8日(月)、「物流調査会」の視察で、千葉県流山市にある我が国最大級の最先端物流拠点「GLP ALFALINK流山8」に、今村 雅弘会長、中谷元顧問、上野賢一郎事務局長とともに、幹事という立場で伺いました。自動化やロボット化など最先端の技術を駆使して整備された物流基地の優れた機能に驚くとともに、周辺住民の皆さんにカフェテリアやレストラン、コンビニ、フィットネスジムなどが開放された施設の使い方に共感を覚えました。

4月19日(金)、行政改革推進本部の役員会が開催され、「公務員制度改革PT」の座長として、「選ばれる組織であり続けるための公務員制度の改革に向けて」との提言(案)をとりまとめ、メリハリのある組織・定員管理の実現、主に本省庁・総合職を対象とした「能力と実績により成長感・達成感の得られる国家公務員をめざして」、主に地方の一般職を対象とした「生活との調和でやりがいとゆとりのある国家公務員をめざして」、人材獲得・維持の取組みなどを進めるよう訴えました。今後、この提言につきましては、行政改革推進本部として岸田文雄総理大臣に提出し、報告を行うこととなります。

その他、参議院自民党の議員総会、国土交通部会、水政策・国土保全調査会、整備新幹線等鉄道調査会 幹線鉄道のあり方に関するPT、住宅土地・都市政策調査会 建築・都市分野における新技術の活用PT、政治刷新本部 政治資金に関する法整備検討WG、財政政策検討本部、中央政治大学院主催 第3回「背骨勉強会」などに出席しました。

【都内の動き】

4月8日(月)、建設コンサルタンツ協会の中村会長、大本副会長、多田副会長との意見交換会に出席し、建設コンサルタント業界の課題と今後のあるべき姿について議論しました。

4月11日(木)、都内で開催された全国管工機材商業連合会会長で橋本総業ホールディングス㈱ 代表取締役社長の橋本政昭様の「旭日小綬章受章記念祝賀会」に、牧原秀樹衆議院議員、中川郁子衆議院議員、橋本聖子参議院議員とともに出席してご挨拶をさせていただきました。
橋本様は、ライフラインを支える管工事業界のリーダー役としてご活躍をされています。
また、テニス・ゴルフを中心としたスポーツ選手の育成などスポーツ振興にも積極的に取り組んでおられ、社会人日本一の女子テニスチームを率いておられます。
引き続き、ご健康で業界のリーダーとしてのご活躍をお祈り申し上げます。

4月15日(月)、全測連会員の国際航業㈱の前田さんに、能登半島地震で被災した「のと里山海道」の最新の航空写真をお持ちいただきました。 被災直後の写真と見比べると、七尾鹿島建設業協会など地元の建設業協会の皆様や日建連関係各社の皆様が、24時間体制で迂回路工事など応急復旧工事を懸命に行っていただいた状況が良くわかります。皆様の頑張りに心から敬意を表します。

4月17日(水) 、斎藤兵庫県知事による「兵庫県当初予算等に関する説明会」が行われ、渡海紀三朗政調会長、末松信介参議院議員、谷公一衆議院議員、加田裕之参議院議員などとともに出席し、過疎地の大震災である能登半島地震を踏まえ、特に兵庫県北部における信頼性の高い道路整備の必要性、家屋・建物などの耐震化の必要性、在来鉄道の整備・充実の必要性などを訴えさせていただきました。

4月18日(木)、青森県の宮下知事が古市県土整備部長とともに会館事務所に来訪されました。知事からは、能登半島の地震を踏まえ、下北地域についても下北半島縦貫道路の整備や国道279号の風間浦バイパスの整備促進の要望をいただきました。脆弱な半島道路の充実強化は大事な取り組みであり、しっかり支援していきたいと思います。

その他、淺沼組の浅沼社長をはじめ幹部の皆さんとの意見交換会、退任される岐阜県の日置郡上市長との意見交換会、東京建設業協会の今井会長・乘京副会長との意見交換会、中部地方整備局のOBの皆さんとの意見交換会、富山県氷見市の氷見建設業協会の森越会長はじめ幹部の皆さんとの意見交換会、鳳輪建設業協会の二股副会長はじめ幹部の皆さんとの意見交換会、佐賀県建設業協会の松尾会長はじめ幹部の皆さんとの意見交換会等に出席しました。

【地方の動き】

4月2日(火)、福岡県朝倉市で開催された熊本地震と九州北部豪雨からの復興を記念した「くまモン」と朝倉市のマスコットキャラクター「卑弥呼ちゃん」の像の除幕式に参加させていただきました。
主催者は、ご地元の「天ぷら七八(ななや)」の社長の筑水会建設協同組合理事長の森部晶伸さんで、像が設置された店舗の屋外広場で、ご地元の古賀誠元衆議院議員、林朝倉市長とともにご挨拶をさせていただくとともに、像の除幕に参加させていただきました。
朝倉市は、平成29年7月の「九州北部豪雨」により大きな被害を受けましたが、私は当時被災状況調査で現地に伺い、その際に福岡県議会議員だった林朝倉市長、栗原自由民主党福岡県第五選挙区支部長、森部さんらにご案内をいただき、現地をつぶさに見させていただきその被害の甚大さに衝撃を受けたことを覚えています。
なお、「天ぷら七八」には熊本店があり、その店舗が九州北部豪雨の前年の平成28年の熊本地震で被災し、その際にも現地の被災状況調査をさせていただいたご縁もあって、今回、お声かけをいただいたものと思います。
熊本県の「くまモン」と朝倉市の「卑弥呼ちゃん」の像は、この二つの災害の記憶と復旧への感謝を忘れず、これからの地域の安全を祈念するため建立されたとのことです。

4月3日(水)、島根県松江市に伺い、4月16日告示、28日投開票を予定している衆議院島根1区補欠選挙の候補予定者の錦織功政(にしこり のりまさ)さんの後援会事務所を訪問しました。
錦織さんは、地元の松江市の出身で、財務省で長年勤務され、すでに辞職されて故郷島根の発展のために貢献したいとの一心で活動をされておられます。 
後援会事務所で嘉本自民党島根県連副幹事長から地元情勢を伺っておりましたが、運良く遊説先から錦織さんが戻られましたので、直接激励のご挨拶をすることが出来ました。
続いて、建産連の幹部の皆さんや国土交通省OB、島根県土木OBの皆さんにお集まりをいただき開催された「錦織功政(にしこり のりまさ)氏を囲む会」に参加し、中筋島根県建産連会長、五百川島根県議とともに激励のご挨拶をさせていただきました。錦織候補予定者はインフラ整備の重要性も熟知され、熊本県出向時は熊本地震からの復旧復興や川辺川ダム対策、復興庁では東日本大震災からの復旧復興にも取り組まれ、地域の建設産業の重要性にも大変理解をいただいています。
これからも錦織さんの活動を建設産業の皆さんと一緒に支えて参りますので、皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。

4月17日(水)、一級河川木曽川の中流部の岐阜県御嵩町と八百津町にまたがって建設中の新丸山ダムに伺いました。新丸山ダムは、堤高 98.2 mの既設丸山ダムの下流側47.5mの地点で、丸山ダムを20.2mかさ上げし、堤高118.4mの重力式コンクリートダムとして新たに建設するダム再生事業です。
現在は、ダム本体の基礎掘削が進められているところでした。
新丸山ダムは、平成21年の政権交代に伴い事業が一旦中断となり私が中部地方整備局長時代の平成23年から24年に検証を進め、平成25年7月に本省の水管理・国土保全局長の時に事業の継続を決定した思い出深い事業です。
現地には国土交通省OBの浅野さんにご同行いただき、国土交通省新丸山ダム工事事務所の加納所長、施工者の大林組・大本組・市川工務店共同企業体の大林組の佐々木所長に現場のご案内とご説明いただきました。大林組は自動自律施工をはじめとした最新の建設DX技術を活用し、建設現場の生産性向上を目指して施工に取り組んでおられました。