足立としゆき夢だより【第258号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

G7広島サミットが大きな成果をあげて終了しました。サミットをリードする岸田文雄総理を、皆さんも頼もしく思われたのではないでしょうか。
総理も、5月26日(金)の参議院予算委員会で、サミットの成果について次の通り述べておられます。

「今般のG7広島サミットでは、G7の揺るぎない結束を改めて確認することができました。そして、今回のサミットの狙い、すなわち、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持していくとの強いメッセージを示すこと、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々との関与を深めることについて、当初の狙いどおりの成果が達成できたと考えています。
また、今次サミットを被爆地広島で開催することとした大きな狙い、すなわち、各国首脳に被爆の実相に触れていただき、それを世界の隅々に向けて発信していただくことについても、大きな成果が得られたと考えています。」

また、「ロシアのウクライナ侵略に関しては、ゼレンスキー大統領にも議論に参加いただき、G7とウクライナの揺るぎない連帯を示すとともに、G7として厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援を継続していくこと、ウクライナに平和をもたらすため、あらゆる努力を行うことを確認しました。
さらに、G7と招待国の首脳にゼレンスキー大統領を加えて世界の平和と安定に関する議論を行い、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持すること、また、力による一方的な現状変更は認めないということ等の点で認識の一致が得られました。これは、大きな歴史的意義を持つものであると考えます。」とも述べられました。岸田総理、本当にお疲れ様でした。

ところで、防衛費の拡大や少子化対策への対応により、公共事業予算にしわ寄せが来るのではないかと懸念する声が、私の元にもたくさん寄せられています。私からは、そうした声に対して「歳出削減の対象に公共事業予算はならない」との財務省のコメントを伝えていますが、5月24日(水)の防衛費財源確保法案の参議院本会議での質疑の中で、岸田総理が次のように明確にお答えになられましたので、皆さんにご紹介させていただきます。岸田総理の答弁は次のとおりです。
「今般、防衛省・自衛隊の施設整備や艦船建造費を、建設国債の発行対象経費として整理をしましたが、これにより従来の公共事業費を減額することはありません。その上で、自然災害等から国民の命と暮らしを守るため、あるいは我が国の経済成長や地域社会を支えるために必要なインフラについては、着実に整備をしていく必要があります。また、インフラの老朽化が進行しており、老朽化対策は喫緊の課題です。このため、今後とも、中長期的な見通しの下、安定的、持続的な公共投資を推進してまいります。」
皆さん、ぜひご承知おきください。

その他、最近の動向は次の通りです。

【国会の動き】

5月18日(木)、参議院国土交通委員会で、斉藤鉄夫国土交通大臣から高速道路の老朽化対策や更新を円滑に行うため債務償還期限を延長すること等を目的とする「道路整備特別措置法及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法の一部を改正する法律案」の趣旨説明が行われ、審議入りしました。
続いて、5月23日(火)、参議院国土交通委員会で、この法案について参考人質疑が行われました。
私から敬愛大学の根本教授をはじめ3名の参考人に、世界の国々と比較して日本の高速道路の整備水準をどう評価するか、国際競争力という観点で今後どのように高速道路の整備を進めていくべきか、伺いました。
この法案は、今後の高速道路の整備や老朽化対策などの維持管理の進め方にもかかわる大事な法案ですので、しっかり審議していきたいと思います。
その他、本会議や予算委員会、その理事懇談会、国土交通委員会などに出席しました。

【自民党の動き】

5月16日(火)、自民党の国土強靱化推進本部と内閣第一部会との合同会議が、二階俊博強靭化推進本部長、森屋宏内閣第一部会長をはじめたくさんの衆参国会議員のご出席のもと開催され、「防災・減災等に資する国土強靱化基本法の一部を改正する法律案」の条文審査が行われ、了解をいただきました。
法案については、今後、党内手続きを経て、参議院では私が理事を務める災害対策特別委員会で、議員立法として審議されることとなります。

5月17日(水)、私が所属する宏池会(岸田派)のパーティが開催され、3年ぶりの立食形式のパーティを、たくさんの参加者の皆さんが楽しみました。ご出席いただいた皆様に、心から感謝を申し上げます。
パーティでは、会長の岸田文雄総理から、宏池会出身の大平正芳元総理、宮沢喜一元総理も、日本開催のサミットで議長を務められたことを紹介され、G7広島サミットに関し、「宏池会出身の首相として宿命を感じられずにいられない」と述べられました。
また、「平和の誓いの象徴である広島でG7を催すことは歴史的にも大きな重みを持つ」とも語られました。こうした岸田総理の考え方のもとにG7広島サミットが成功裡に終わったことを心からお祝い申し上げます。

その他、参議院自民党の議員総会や執行部会、国会対策委員会の全体会議や正副委員長会議、参議院自民党政策審議会の勉強会、国土交通部会、水力発電促進議員連盟の総会、行政改革に関するプロジェクトチーム(NO.2)の会合、宏池会の例会などに出席しました。

【都内の動き】

5月16日(火)、脇雅史元参議院議員が会長で、私も副会長を拝命している「全国治水期成同盟会連合会」の理事会が都内で開催され、冒頭、脇会長のご配慮で、国会の動向や国土強靭化の動き、能登半島の地震などの報告を含めご挨拶をさせていただきました。

5月19日(金)、日建連の宮本会長、蓮輪副会長が、谷公一防災担当・国土強靭化担当大臣に国土強靱化について申し入れを行いました。私も同行させていただきました。
また、5月25日(木)には、同様に日建連の宮本会長、蓮輪副会長が、品確議連の会長である根本匠衆議院議員に申し入れを行い、私も同行させていただきました。
内容としては、現行の5ヵ年加速化対策に代わる中長期的な実施計画を法定計画とすることや、各事業の整備スケジュール・事業費を明示するなどした中長期的な実施計画を策定するとともに、現行以上の予算額を確保することなどです。
谷大臣、根本会長からは、法改正や予算確保について、前向きなお言葉をいただきました。ありがとうございました。

5月24日(水)、私がかつて勤務したことのある「水源地環境センター」の大杉さんが、博士号の取得の報告に来られました。
大杉さんは、私が水源地環境センターの研究第三部長であった平成8年に、当時の近藤徹理事長とご相談して採用した魚類生態を専門とする研究者で、苦節27年、私との約束の博士号を見事に取得されました。誠におめでとうございます。

5月25日(木)、建設コンサルタンツ協会の60周年記念祝賀会に、斉藤鉄夫国土交通大臣とともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。新たに選任されました中村会長にはご配慮をいただき、ありがとうございました。

その他、全国建設業協同組合連合会の総会後の懇親会、北海道建青会オホーツク二建会との意見交換会、旧交会の春季大会並びに叙勲祝賀会、日本橋梁鉄骨事業協同組合の通常総会後の懇親会、河川ポンプ施設技術協会の懇親会、全国地質調査業協会の定時総会後の懇親会、日本道路建設業協会の懇親パーティ、中九州横断道路建設促進大会、岡山県建設業協会高梁支部との意見交換会、長野県砂防意見交換会などに出席しました。

【地方の動き】

5月12日(金)、大林組が仙台市に建設している、木造とRC造を組み合わせたハイブリッド木造建築の3階建て準耐火建築物である社員寮「仙台梅田寮」に伺いました。
4月24日(月)に訪れた横浜市の日本初の純木造高層耐火建築物である研修施設「Port Plus(ポートプラス)」に続いて木造建築を訪問するもので、大林組本社の杉山土木本部副本部長、光森課長に合流いただき、新梅田寮工事事務所の佐藤所長、東北支店の土木工事部の中田担当部長にご案内をいただきました。
「仙台梅田寮」は、ハイブリッド木造として、1階の共用部は遮音性の高いRC構造とし、2・3階の寮室は軽量で暖かみのある木造とし、寮室の施工には工場製作されたパネルなどの部材を組み合わせる「CLTユニット工法」を採用しています。外装は、黒塀や木製ルーパーなどに、木材だけでなくコンクリートや金属の材料を使用し、洗練された都会的なイメージを備えるようにしています。
また、寮室は共有スペースである中庭を取り囲む配置となっており、あえて全体を低層にすることで暖かみのある居住スペースとなっています。働き方改革の観点からも、若者たちが「ここに住んで、仕事をしたい」と思っていただけるような素晴らしい施設になっていると思いました。

今回も、とてもいい勉強になりました。ご案内いただいた皆さん、ありがとうございました。

次に、仙台市で行われた東北地方整備局のダム関係のOBの皆さんで構成している「東北ダム談義の会」に出席し、会長として久しぶりに国政報告と最近のダム事業に関する講演をさせていただきました。かつて、一緒に勤務をした皆さんと昔話に花を咲かせ、楽しく過ごすことができました。

次に、東北測量設計協会の令和5年度通常総会後の懇親会に出席し、ご挨拶をさせていただきました。お声かけをいただきました菊池会長、ありがとうございました。

5月14日(日)、イヌワシやクマタカなど希少猛禽類の研究家の山崎さんのご案内で、大先輩の国土交通省元技監の近藤徹さん、元水資源機構の藤田さん、柳川さんとともに、東近江市の小椋市長の蛭谷の実家に伺わせていただきました
市長のご実家は木地師と関係が深く、木地師資料館も併設されています。市長からは、木地師のお話や奥永源寺の歴史や自然などについて熱のこもったお話しを伺わせていただきました
また、この日は、この地で「奥永源寺 春の工芸市」が開催されており、木地師や木工作家、陶芸家、漆芸家などの皆さんの作品を楽しませていただきました。

5月15日(月)、青森県知事選挙に立候補予定の元むつ市長の宮下宗一郎さんの応援のため、青森市内の後援会事務所に伺いました。
後援会事務所には、宮下さんご夫妻をはじめ、むつ市のある下北地区の建設業の皆様、青森にゆかりのある国土交通省OBの皆様など、宮下さんを応援する有志の皆様にお集まりをいただき、建設業を代表して下北地区の柴田さんからご挨拶をいただき、続いて私から激励のご挨拶をさせていただきました。
候補予定者の宮下さんは、国土交通省の後輩ですが、これまでむつ市長として地域創生や活力あるふるさとづくりに努められるなど実績充分な逸材です。また、一昨年の下北半島部での大規模な水害に際して、私も現地に駆けつけさせていただきましたが、市長として迅速な対応により国道279号のむつ市大畑町の小赤川橋の落橋被害に対し、国土交通省と連携して驚異的な早さで孤立地区解消に向け仮橋の架設を行う等、県内外から高い評価を受けています。私から、そうしたエピソードを紹介させていただくとともに、これからも地域の発展や住民生活の安全・安心に貢献するため、県政においても全力を尽くして取り組んでいただきたい、と応援のご挨拶させていただきました。
その後、宮下宗一郎候補予定者からも県政への熱き思いをお聞かせいただきましたが、大変熱のこもったお話しで、皆さんも期待を込めて熱心に聞き入っておられました。
なお、5月18日(木)、青森県知事選挙が告示され、選挙戦が始まりました。
私は国会の関係もあって出陣式には伺えませんでしたが、候補者の宮下宗一郎さんは朝9時から青森市内で「第一声」を行ったと聞きました。
これからも、青森の発展や県民の皆さんの安全・安心に貢献するため、全力を尽くして取り組んでいただけるものと確信しています。よろしくお願いいたします。

5月18日(木) 、インフラメンテナンス国民会議の「近畿本部フォーラム2023」が、大阪市の花博記念公園鶴見緑地のハナミズキホールで開催され、交流会でご挨拶をさせていただきました。
このイベントは、インフラの老朽化対策技術や再生・高度化技術など最先端技術が集結する屋外・屋内の展示会をはじめ、各種講演、報告会、セミナーなどが開催される総合イベントです。たくさんの方々に参加いただき、感謝を申し上げます。

5月20日(土)、群馬県みなかみ町の奈良俣ダムサイトで行われた「藤原・奈良俣再編ダム再生事業完了式」に出席し、水資源機構の金尾理事長、国土交通省の清水真人政務官、群馬県の津久井副知事、ご地元の中曽根康隆衆議院議員、尾身朝子衆議院議員、阿部みなかみ町長らとともにお祝いのご挨拶をさせていただきました。その後、セレモニーで放流ボタンのスイッチも押させていただきました。
また、テープカットには、関東地方整備局の廣瀬局長や、施工者として群馬県建設業協会の青柳会長、佐藤工業、日立造船の幹部の皆さんも参加されました。建設業の皆さんにお声かけいただいたことに感謝を申し上げます。
この事業は、既設ダムを有効活用するダム再生事業で、藤原ダムの利水容量と奈良俣ダムの洪水調節容量の一部を振り替えることにより、奈良俣ダムより下流に位置し、流域面積が大きい藤原ダムの洪水調節容量を増加させることで、ダム下流への洪水調節効果をより高めるものです。なお、奈良俣ダムについては、私も今から35年近く前、ダム建設の最終段階で国土庁や建設省の担当課長補佐として事業に携わりましたので、そのダムがダム再生で生まれ変わることとなり、大変嬉しく感じています。ダム再生事業は、全国で実施中ですが、私が水管理・国土保全局長の時に既存ダムの再開発等を「ダム再生」と命名し、推進して来ましたので誠に感慨深い式典でした。

なお、この日は、みなかみ町の奥利根地域にある3つのダム(⽮⽊沢ダム・奈良俣ダム・藤原ダム)で、年に⼀度、洪⽔期を迎える前にダムの放流設備が安全に作動するかを確認するための「点検放流」が⾏われました。そのため、奈良俣ダムにも、大人から子供まで沢山のダムマニアの方々が見学にお越しになっており大盛況でした。

5月21日(日)、長野駅で長野県建設業協会の木下会長、大月特任理事にお迎えいただき、長野県中野市の千曲川右岸で開催された「上今井遊水地整備起工式」に伺いました。
式典では、中野市の湯本市長、国土交通省北陸地方整備局の内藤局長からご挨拶があり、続いて阿部長野県知事、ご地元の若林衆議院議員らとともに、お祝いのご挨拶をさせていただきました。
私は、平成20年に信濃川水系の河川整備基本方針を本省の河川計画課長として策定させていただきましたが、平成元年には台風19号による出水で長野市で千曲川本川が破堤し、大きな被害を生じました。基本方針策定時には、そこまで大きな被害が出ることは想定しておらず、皆さんには申し訳ない思いをしています。そんなこともあって、今回、お声かけをいただいたものと思っています。
その後、鍬入れを執り行わせていただきましたが、木下建設業協会長にも施工者を代表して参加していただきました。また、会場には工事を担当いただいている地元の北野建設㈱の北野会長、飯田鉄工㈱の河野取締役等にも出席していただいきました。とても素晴らしいことだと思います。ありがとうございました。
なお、この事業は令和元年の水害を契機として着手されたものですが、水害発生直後、私は建設業協会の木下会長をはじめ幹部の皆様と直ちに現地に入り、被災状況の調査をさせていただきました。
今回、国、県、市町村が連携して「信濃川水系緊急対策治水プロジェクト」が策定され、千曲川河川事務所管内に5箇所の遊水地が計画されることとなり、初めて上今井遊水地整備 の工事が着手されることになったものです。
千曲川・信濃川の沿川地域の多くの人命や財産を守るため、早期完成に向け私も全力で頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。なお、終日ご同行いただきました長野県建設業協会の木下会長、大月特任理事に、心から感謝を申し上げます。

5月19日(金)、佐賀市で開催された佐賀県建設業協会の定期総会と佐賀県建設工業協同組合の通常総会の後の合同の懇親会に、私の後援会長でもある陣内孝雄元参議院議員、ご地元の山口佐賀県知事、岩田和親衆議院議員、福岡資麿参議院議員、山下雄平参議院議員らとともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。久しぶりの対面の懇親会で大いに盛り上がりました。
なお、それに先立ち、最近完成した「SAGAサンライズパーク」の佐賀アリーナ、佐賀スタジアムなどを陣内先生とともに視察させていただきました。この総合的なスポーツ施設は、来年の国体会場として予定されており、特に佐賀アリーナは最新の技術を駆使した素晴らしい施設となっており、バスケットボールのB2から今回B1に昇格することが決まっている佐賀バルーナーズの本拠地にもなるとのことで、地元の期待は大変大きなものがあります。私も、ぜひ、バスケットボールの試合を見てみたいと思うような魅力的なアリーナでした。

5月22日(月)、平成29年7月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた大分県の日田市、福岡県の朝倉市、東峰村等を訪問し、被災後の復旧状況を視察しました。
平成29年の被災当時は、7月17日に、大分県日田市については大分県建設業協会の原田日田支部長はじめ会員の皆様にご案内いただき被災地を視察しました。また、福岡県の朝倉市や東峰村については、林県議会議員(現朝倉市長)、栗原県議会議員、地元の建設業界の筑水会建設共同組合の森部理事長はじめ会員の皆様にご案内をいただき、被災地を調査しました。また、その後何度も現地を訪れ、12月にはご地元の元自民党幹事長の古賀誠先生とも被災地調査をさせていただいたことを思い出します。

今回、先ずは日田市に伺い、九州北部豪雨で落橋したJR久大本線の花月川橋の被災現場に伺いました。現地では落橋した鉄道橋も架け代わり、平成30年7月14日には久大本線が全線復旧したとのことでした。

次に、日田市大野地区で、当時山の斜面が崩壊し、崩落した土砂により小野川がせき止められ、土砂ダム(天然ダム)が形成された現場を視察しました。発災直後から、天然ダムの決壊防止のための水路の構築や道路の通行確保等のため、地元の河津建設をはじめ建設業の皆様が懸命に作業を行い、7月15日には道路の通行再開、7月20日頃には湛水域の解消を完了した現場です。現地では、すでに崩壊斜面の法面保護工や河川改修工事、砂防ダムが完成していました。

続いて、当時は通行止めだった大分県道107号宝珠山日田線を利用して、福岡県の朝倉市役所に伺いました。市役所で、発災直後から県議会議員として現地をご案内いただいた林市長、佐々木副市長等と面談させていただきました。
林市長には、今回、6月4日「赤谷川権限代行工事及び直轄砂防事業完成式典」のご案内をいただいていますが、その日は、私が四国地方整備局長として担当した愛媛県西予市の野村ダムで「野村ダム改良事業起工式」が開催されます。
野村ダムでは、平成30年の西日本豪雨の際に緊急放流を余儀なくされ、ダム直下流の地区では犠牲者まで出ており、そちらの式典に出席するため赤谷川の式典を欠席せざるを得ないことをお詫び申し上げました。なお、赤谷川の関係者の皆様には申し訳ございませんがご理解をいただきますようお願い申し上げます。
なお、野村ダムでは、堤体に放流設備を増設することにより、平成30年7月豪雨と同規模の洪水が発生しても、直下流の被害や肱川の氾濫を防ぐ事ができることとなります。期待したいと思います。

続いて、朝倉市役所で合流いただきました国土交通省OBの後藤さんにご案内いただき、赤谷川上流の乙石川流域において大規模な山腹崩壊が発生し、大量の土砂が流下し大きな災害となった現地に伺いました。現地では遊砂機能を有する「乙石川上流砂防堰堤」が竣工していました。

次に、乙石川と赤谷川の合流点付近にある松末小学校付近を視察しました。豪雨が襲った日、児童11人を含む地元住民ら約50人が身を寄せ、避難者は3階で一夜を過ごしたおかげで命が救われた校舎です。現在は廃校となりましたが災害を風化させないための「復興記念館(仮称)」として整備が進んでいました。また、赤谷川下流の東林田地区では、河道が完全に埋塞した区間の掘削が進み、流路整備が完了し、流水を流せるようになっていました。

その後、九州北部豪雨により決壊し、堤体が流失していた「山の神ため池」と「鎌塚ため池」に伺いました。両ため池は立派に復旧していました。続いて、桂川沿川の比良松中学校の被災箇所の復旧状況を視察しました。校舎の基礎が洗堀されていた現場もしっかり復旧していました。

なお、平成29年九州北部豪雨では、国土交通省九州地方整備局は権限代行制度を全国で初めて適用し、福岡県に代わって赤谷川などで直轄で緊急的に施工を行い、今回、「赤谷川権限代行工事及び直轄砂防事業完成式典」を迎え、国から県へ河川などをお返しすることが出来ることになりました。これも九州地方整備局、地元建設業関係者の皆様の献身的なご努力の賜と心から敬意を表します。ありがとうございました。

視察の後、久留米市で開催された「筑水会建設共同組合定時総会」後の懇親会に古賀誠先生、藤巻九州地方整備局長等とともに出席させていただき、ご挨拶をさせていただきました。朝倉市、東峰村などの災害復旧に献身的にご活動いただいた地元の建設業の皆様に、視察のご報告と、感謝の気持ちでご挨拶をさせていただきました。ありがとうございました。