足立としゆき夢だより【第259号】をお届けします

皆さん、こんにちは。
足立としゆきです。

台風2号とそれに伴う梅雨前線の活発化により、全国的に大雨に見舞われ、首都圏でも大きな被害が出ました。皆さんのところは、いかがだったでしょうか?
その結果、和歌山県や愛知県、静岡県、神奈川県などで大きな被害を生じています。犠牲になられた皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害にあわれたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。
今後、被災地に伺い、被災状況の把握に努めたいと思いますので、皆さんよろしくお願いいたします。

さて、6月4日(日)投開票の青森県知事選で、「青森新時代」を訴えた国土交通省の後輩の宮下宗一郎候補が、見事、当選されました。若くてエネルギッシュで、防災やインフラ整備にも詳しい宮下宗一郎さんの今後のご活躍を大いに期待しています。ご支援いただいた皆様には、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

5月30日(火)、参議院国土交通委員会で、高速道路の償還期限を延長する「道路整備特別措置法等の一部改正案」について、自民党を代表して質疑に立ちました。
日本の高速道路の整備水準について世界と比較して大きく立ち遅れていることを指摘し、償還期限の延長により得られる費用をもとに、更新・維持管理を着実に進めるとともに、様々なニーズを踏まえ行う「進化と改良」に関わる道路整備についても進めるよう、斉藤鉄夫国土交通大臣や丹羽道路局長に要請しました。また、質疑の中で、能登半島地震について内閣府防災の上村審議官に質問しました。上村審議官は、発災直後から被災地に入り対応していただいた方で、かつて水管理・国土保全局で一緒に仕事をした仲間です。
なお、私の質疑終了後、この法案の採決が行われ、賛成多数で可決され、翌31日(水)の本会議で可決成立させることができました。自分で質疑した法案が成立するのは、感慨深いものがあります。

委員会の質疑につきましては、参議院のHPから記録された映像をインターネットでご覧いただくことが可能ですので、お時間のある方は是非ご覧下さい。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

質疑の主な内容を紹介します。
まず、日本と世界の国々の道路整備水準を比較して、率直にどのような印象をお持ちなのか、斉藤国土交通大臣にお聞きしたところ、「各種の指標におきまして、まだまだ日本の高速道路のレベルは、欧米またアジアの隣国に比べても、そのレベルに達していないというふうに私も実感をしております。
ただ、日本は非常に急峻な細長い国土であるという条件もございます。また、安全に対しての国民の皆様の意識も高い。したがって、非常に規格の高い道路になっているという面もございます。それらを踏まえまして、これから、防災・減災、国土強靱化、防災・減災の面でも、そして産業構造をしっかりさせていくという面でも、この高速道路ネットワークも国土形成計画に従ってしっかり整備していかなくてはいけないのではないかと私自身は思っております。」とのご答弁をいただきました。

また、現時点で考えられる高速道路ネットワークの将来像、最終形と言ってもいいかもしれませんが、その姿を打ち出すように、斉藤国土交通大臣に求めたところ、「今後の高速道路ネットワークの検討に当たっては、我が国が直面するリスクや将来動向など、時代のニーズを踏まえて対応することが重要であると認識しております。現在検討を進めている新たな国土形成計画の原案では、(中略)シームレスな拠点連結型国土の構築が示されております。高速道路ネットワークにつきましては、南北に細長い日本列島における国土全体の時間距離の短縮や多重性、代替性の確保を図る質の高い交通ネットワークの強化が重要である旨が示されているところでございます。こうした議論も踏まえながら、国土交通省といたしましては、引き続き必要な高速道路ネットワークの機能強化を進めてまいりたいと決意しております。」とのご答弁をいただきました。

また、丹羽道路局長にも、高速道路ネットワークを補完する道路の必要性について質問したところ「高速道路ネットワークとともに、これを補完する道路ネットワークの機能強化を図ることは、地域間の交流の促進、また災害時の代替機能の確保などの観点から重要であるというふうに考えております。
例えば、海峡横断プロジェクトにつきましては、湾口部や海峡部を連絡する大規模なプロジェクトであることから、その実現のためには国民のコンセンサスが得られることが重要であるというふうに考えております。国土交通省といたしましては、引き続き、必要な道路ネットワーク全体の機能強化を着実に推進するとともに、海峡横断プロジェクトにつきましては、様々な場面で地域の皆様の意見を伺うなど、地域の実情の把握に努めてまいりたいと考えております。」との答弁をいただきました。
更新事業と「進化と改良」事業のバランスについて質問したところ、「料金徴収期間の延長により確保した財源につきましては、利用者の安全性確保や通行止めによる社会的影響の観点から、更新事業のために優先して充当した上で、社会的要請などを踏まえまして、優先度の高い進化事業にも充当していく方針でございます。」との答弁をいただきました。
また、防災・減災、国土強靭化予算の確保の必要性について質問したところ、「災害から国民の命と暮らしを守るためには、道路ネットワーク全体を強化することが重要と考えております。そのため、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、これの予算も活用して、ミッシングリンクの解消、また道路インフラ
の老朽化対策など、国土の強靱化の取組を進めているところでございます。
一方、今後実施予定の箇所も数多く残っていることから、この五か年加速化対策後も、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的、安定的に取組を進めていくことが重要であるというふうに考えております。引き続き、防災・減災、国土強靱化の取組を始め、国民の暮らしや経済を支える道路整備をしっかりと進めるためにも、必要な予算の確保、全力で努めてまいりたいと考えております。」との答弁をいただきました。ご答弁には大変貴重な内容も含まれておりますので、ご承知おき願います。

なお、内閣府の上村審議官からも、能登半島の地震に関連して、「今回の地震につきまして、政府としては、発災直後から被害状況の把握や災害応急対策に全力を挙げてまいりました。
内閣府におきましては、5月5日、発災当日に私自身を含めました調査チームが石川県に入り、地元自治体と緊密に連携して災害対応に当たってきたところであります。私も、被害が大きかった珠洲市の泉谷市長には連日、市役所内外でお目にかかり、お話を伺ってきておりまして、その中で、足立先生が現場にいらしたということもお伺いしました。(中略)引き続き、被災の現状や地域の声をしっかりと受け止め、関係省庁と緊密に連携しながら被災者の生活再建と迅速な復旧復興に取り組んでまいります。」とのご答弁をいただきました。

なお、参議院国土交通委員会で私が質疑したあと、「道路整備特別措置法等の一部改正案」の採決が行われ、賛成多数で可決され、翌31日(水)の本会議で可決成立することができました。自分で質疑した法案が成立するのは、感慨深いものがあります。

その他、最近の動向は次の通りです。

【国会の動き】

6月1日(木)、参議院国土交通委員会で、斉藤鉄夫国土交通大臣から「空き家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」の趣旨説明が行われ、審議入りしました。

6月1日(木)、入国管理法改正案の参議院での審議の関係で、参議院法務委員長の解任決議案が立憲民主党から提出されました。翌2日(金)の参議院本会議で反対多数で否決しました。なお、採決は立憲民主党からの動議で、記名採決となりました。

6月2日(金)、衆議院災害対策特別委員会で、防災・減災、国土強靱化の5か年加速化対策を延長する枠組みを定めるための「国土強靱化基本法の一部を改正する法律案」が賛成多数で可決されました。今後、衆議院本会議で可決されたあと参議院に回ってくる予定です。ご期待いただければと思います。

その他、参議院本会議や予算委員会、国土交通委員会などに出席しました。

【自民党の動き】

6月2日(金)、自由民主党測量設計議員連盟の「業務領域拡大プロジェクトチーム(PT)」のキックオフ会議を開催ました。
私はPTの事務局長として進行役を努めさせていただき、座長の渡辺猛之参議院議員、議連会長の田中和德衆議院議員、野瀬全国測量設計政治連盟会長からご挨拶をいただきました。また、私から今後の取り組むべき方針について、
①既存の測量技術を活用した領域拡大
②最新の測量技術を活用した領域拡大
③新たな技術を見据えた展開
など、それぞれの領域のニーズを踏まえ、検討の方向性を説明し、出席された皆様からご意見をいただきました。なお、国土交通省からも見坂技術調査課長、竹林室長などの皆さんにご出席いただきました。ありがとうございました。

その他、参議院自民党の議員総会や執行部会、国会対策委員会の全体会議や正副委員長会議、参議院自民党政策審議会の勉強会、国土交通部会、下水道事業促進議員連盟の総会、治水議員連盟の総会、全国道路標識等議員懇談会の意見交換会、宏池会の例会などに出席しました。

【都内の動き】

5月29日(月)、日建連の宮本会長、押味副会長、蓮輪副会長、全建の奥村会長、山崎専務、道建協の西田会長とともに、斉藤鉄夫国土交通大臣を訪れ、防災・減災、国土強靱化の5ヵ年加速化対策の延長と予算の確保について申し入れを行いました。大臣もその重要性を強く認識されていました。

5月29日(月)、建設電気技術協会の定時総会、30日(火)に全国防災協会の総会、31日(水)に全国治水期成同盟会連合会の通常総会が開催され、いずれも脇雅史会長、陣内孝雄名誉顧問とともに出席して、ご挨拶をさせていただきました。たくさんの自治体の首長さんにご出席いただき、感謝を申し上げます。

その他、全国建設技術センター等協議会の総会、全国土木施工技士界連合会の30周年記念式典等に出席し、ご挨拶をさせていただきました。

【地方の動き】

5月28日(日)、大分県日田市の蜂の巣公園で開催された「松原ダム・下筌ダムの管理50周年式典」に、大分県の原田日田市長、熊本県の渡邊小国町長、藤巻国土交通省九州地方整備局長、ご地元の衛藤征士郎衆議院議員、坂本哲志衆議院議員、古庄玄知参議院議員、白坂亜紀参議院議員等とともに出席して、お祝いのご挨拶をさせていただきました。
松原・下筌ダムは、13年にも及ぶダム建設反対運動がありましたが、反対運動のリーダーであった室原知幸さんを中心に「公共事業は、法に叶い、理に叶い、情に叶う」べきと訴えた蜂の巣城紛争をきっかけとして、公共事業の進め方に変化が生じたり、ダム水源地を大切にするための水源地域対策特別措置法(水特法)が制定されるなど大きなインパクトを与えたダム事業です。式典には、室原知幸さんご子息で地権者の室原基樹さんをはじめ地元の地権者の皆様、大分県建設業協会日田支部の河津支部長、熊本県建設業協会阿蘇支部の伊藤副支部長等関係団体の皆様、歴代の筑後川ダム統合管理事務所長の皆さんも出席でした。
松原・下筌ダムは、このように多くの方々の努力でダムが建設され、下流域の治水対策や安定した水源を確保するなど地域社会の発展に貢献しました。
このたび、50周年を迎えるにあたり、改めて関係の皆様に心から感謝を申し上げ、今後も、ダムの管理と維持に最善を尽くしていただくようお願いいたしました。
松原ダムは高さ82mの重力式コンクリートダムで、下筌ダムは高さ98mのアーチダムです。両ダムは昭和48年に完成しています。なお、昭和56年に有明海のノリ養殖に必要な筑後川の維持流量の確保や水道供給を目的に加えるダムの基本計画の変更が行われましたが、当時は河川局開発課の担当係員として携わらせていただきましたので、思い出深い事業でもあります。
なお、式典のオープニングで行われた津江小学校児童による鼓笛隊の演奏がとても素晴らしくて感動しました。

「松原ダム・下筌ダムの管理50周年式典」の終了後、筑後川ダム統合管理事務所の甲斐所長のご案内で、令和2年の「7月豪雨」で被災した下筌ダム貯水池左岸側の大規模な土砂崩れの現場に伺いました。当時は、道路が通行止めになり、福祉施設や家屋が崩落した土砂の直撃を受けて大きな被害が生じていました。現在も片側通行になっており、治山事業により復旧工事が進められていました。

その後、アーチダムの下筌ダムを視察させていただき、ダム下流面のキャットウォークから放流設備を間近に見ることが出来ました。キャットウォークとは、ダムの下流側に設置される狭い鋼製の通路のことで、点検、補修などのために使われます。アーチダムのキャットウォークを歩くのは、富山県の黒部ダム、長野県の小渋ダムに次ぎ、3箇所目でした。

その後、日田市の筑後川水系赤石川に建設された大山ダムに伺いました。大山ダムは、高さ99mの重力式コンクリートダムで、水資源機構が管理しています。
大山ダムには、「進撃の巨人像」が設置されています。これは、原作者の諫山創先生が「地元に恩返しを」との思いから作られ、観光スポットともなっており沢山の若者たちが見学に来ていました。
この日一日、国土交通省OB の後藤さんご同行いただき、福岡空港までお送りいただきました。ありがとうございました。

6月3日(土)、北海道滝川市の石狩川と空知川の合流点付近で開催された「石狩川水系空知川総合水防演習」に、清水真人国土交通省政務官、鈴木北海道知事、脇雅史全国水防管理団体連合会長、ご地元の東国幹衆議院議員、渡辺孝一衆議院議員、船橋利実参議院議員等とともに出席し、ご挨拶をさせていただきました。
水防演習は、洪水などの災害に備え、広域的な防災関連機関(国土交通省北海道開発局、北海道、市町村、自衛隊、消防、建設業協会、各水防団、地域住民等)の密接な連携と、水防技術の向上、水防意識の高揚を図るとともに、水防に対する地域住民の理解と協力を深めることを目的として開催されるもので、会場では、水防工法の月の輪工、釜段工や越水防止工等の設置訓練を見させていただきました。建設業界からも、空知建設業協会の砂子会長をはじめたくさんの方々にご参加をいただきました。
なお、会場には被災地などで活躍できる特殊車両の「キッチンバス」が展示されており、注目を集めていました。キッチンバスは平成30年北海道胆振東部地震発生時にも、被災地で活躍したそうです。
https://www.cruisekitchen.com/

なお、札幌市内から水防演習会場まで、そして最後は新千歳空港にまで、北海道河川財団の岡部会長にご同行をいただきました。ありがとうございました。

6月4日(日)、愛媛県西予市野村町の乙亥(おとい)会館で開かれた「野村ダム改良事業起工式」に出席し、中村愛媛県知事、荒瀬四国地方整備局長、ご地元の長谷川淳二衆議院議員、山本順三参議院議員、菅家西予市長らとともに、お祝いのご挨拶をさせていただきました。なお、今回の工事の施工者を代表して清水建設の池田副社長からもご挨拶がありました。これから地域の皆さんにお世話になる施工者の挨拶は、とても大事なことだと思います。
その後、「はつぐわ・くす玉開披」にも参加させていただき、式典終了後には会場の外の特設ステージでお祝いの餅まきも行わせていただきました。たくさんの住民の皆さんに参加していただき、久しぶりに式典らしい式典で、熱気が溢れていました。
なお、乙亥会館は平成30年7月7日の西日本豪雨の際に水没するなど大きく被災し、私もその直後に被災状況調査に伺わせていただきましたので、その復旧ぶりに感激しました。

なお、式典会場となった乙亥会館の災害伝承展示室で、地域の皆さんが主体となって実施している復興に向けた様々な取組が紹介されており、その中の一つとして野村小学校5年生、6年生が取り組んだ「復興水辺域プロジェクト」の展示の紹介が行われており、小学校6年生の西森孝君と髙岡小町さんから取り組みの内容について荒瀬四国地方整備局長とともにご説明をいただきました。素晴らしい取組に驚きました。丁寧なご説明、ありがとうございました。

また、「野村ダム改良事業起工式」に先立ち、野村ダムサイトに伺い、国土交通省の豊口河川環境課長、四国地方整備局の荒瀬局長、長尾河川部長や施工者の清水建設の池田副社長、加藤常務、野田常務などとも現地を視察させていただきました。
今回の改良事業では、ダムの事前放流をこれまで以上に行うため、堤体を掘削して放流設備を新設し、これにより、平成30年7月豪雨と同規模の豪雨に見舞われても大きな被害を防ぐことができるようになります。
野村ダムは、肱川水系肱川に建設された重力式コンクリートダムで高さ60m、堤頂長300mの重力式コンクリートダムで、洪水調節・灌漑・上水道を目的とする国土交通省直轄の多目的ダムです。ダム改良の一日も早い完成が期待されます。

なお、式典にも出席された四国クリエイト協会の藤山さんに松山空港からご案内をいただき、最期に再び松山空港までお送りいただきました。ありがとうございました。

【建設分野のトピックス】

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」がリニューアルされ、お住まいや勤務先、通勤・通学経路の住所を入力すると、洪水や津波など被害の恐れのある災害の種類や、浸水深さなど想定される被害の程度、災害に対応した近隣の避難所の位置等が、地図上で一覧できるようになりました。
災害時の避難・集合場所や安全な避難ルートなどを、あらかじめご家族で確認するツール等としてご活用いただき、災害への備えを万全にしていただければと思います。
 https://disaportal.gsi.go.jp/