足立としゆき夢だより【第276号】をお届けします

皆さん、あけましておめでとうございます。
足立としゆきです。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年明け早々の1月1日、能登半島付近を震源とする最大震度7、マグニチュード7.6(暫定値)の地震が発生し、輪島市、珠洲市、七尾市などで大きな被害が出ています。1月4日14時30分時点では亡くなった方は78名とのことです。
とにかく現時点で行方不明になっておられる皆様の早期救出を心から願っています。
また、亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害にあわれたすべての皆様にお見舞いを申し上げます。さらには、救助・救命や復旧活動に従事されている警察、消防、自衛隊、医療関係のみならず、建設業、コンサルタント業・測量設計業など全ての関係者に感謝を申し上げます。
なお、現地では引き続き、再三余震に見舞われています。くれぐれもご注意いただきますようお願い申し上げます。

一方、2日の夕方には、羽田空港でJALの旅客機と海保の航空機が衝突して炎上する事故がありました。幸い、旅客機の乗客・乗員全員が脱出することができましたが、海保の5名の方々が残念ながら亡くなられました。海保の皆様は、震災の被災地への物資輸送の任務にあたっておられたとのことで、痛ましい限りです。心からご冥福をお祈り申し上げます
なお、事故原因の早期究明と再発防止を、国土交通省にはお願いしたいと思います。くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

さて、昨年12月22日(金)、総額112兆円となる「令和6年度予算案」が閣議決定されました。
公共事業関係予算につきましては、防災・減災、国土強靱化の推進などで、対前年度比28億円増の6兆828億円を確保することができました。そのうち、国土強靱化関係予算としては前年度比632億円増の4兆330億円と重点化が図られており、大いに評価したいと思います。
なお、令和6年度から水道行政が国土交通省に移管されることに伴い、上下水道一体となった事業実施のための新たな補助事業が盛り込まれた点も評価したいと思います。
これら予算に加えて、今年度の補正予算2兆2009億円の公共事業予算がありますので、防災・減災、国土強靱化の推進が図られることに大いに期待したいと思います。
引き続き、これからはじまる第213回通常国会において、予算の早期成立に全力をあげてまいりますので、皆さん、ご支援をよろしくお願いいたします。

さて、私は昨年12月22日(金)から26日(火)にかけて、京都大学の土木工学科河川工学研究室の井上和也名誉教授をはじめ有志のメンバーでアメリカのカリフォルニア州のゴールデンゲートブリッジや、ネバダ州・コロラド州にまたがるフーバーダムなどアメリカのインフラ調査に伺いました。その概要についてご報告をさせていただきます。

【アメリカインフラ調査】

1.大林組北米支店の取り組み
12月22日(金)、今回のインフラ調査でお世話になった大林組の北米支店において、事前のブリーフィングと意見交換を行い、嘉藤支店長、中村副支店長をはじめとする皆様から、北米における大林組の取り組みの歴史や現状についてご説明いただいた後、今回の調査対象のフーバーダムの概要や大林組が施工したフーバーダム直下流にかかるコロラド川橋梁の概要についてご説明をいただきました。
また、シリコンバレーに設けられた「Silicon Valley Ventures & Laboratory(SVVL)」の事務所で、土屋さん、市橋さん等若手の職員の皆様から、大林組の有するリソースを活用して、アメリカのスタートアップ企業や研究機関のもつ技術の建設分野への適用を促し、建設産業の生産性向上等を行っている「オープン・イノベーション」と呼ばれる非常に興味深い取り組みについてご説明をいただきました。若者たちが、自分達で創意工夫をしながら取り組んでいる状況に大いに刺激を受けました。なお、この取り組みは、国土交通省の「第5回JAPANコンストラクション国際賞(国土交通大臣表彰)」で特別賞を受賞しました。

2.ゴールデンゲートブリッジ
続いて、サンフランシスコを代表する長大橋である「ゴールデンゲートブリッジ」に伺い、2001年から2013年にかけて大林組のJVが施工した耐震補強工事を視察させていただきました。
ゴールデンゲートブリッジは、1937年に建設された鋼製吊り橋で、1964年まで世界一のスパン長だったそうです。我が国の吊り橋は白色に近い色が多いのですが、ゴールデンゲートブリッジは鮮やかな朱色で、訪れた時間も日没間近だったのですが、まるで夕日に染まっているようでとても雄大で美しく感じました。
大林組のJVは、両岸側の橋梁の老朽化対策と耐震補強を行ったとのことでした。ご案内いただきました大林組北米支社の秋さん、穐山さんに感謝申し上げます。
なお、ゴールデンゲートブリッジでは、7年前に堺市の下水処理場の建設現場でご案内いただいた、女性技術者の長門石さんが会いに来てくださり感激しました。ちなみに、今回はお会いできませんでしたが、長門石さんのご主人は先に伺ったSVVLで勤務されています。

3.フーバーダム
12月23日(土)、サンフランシスコからラスベガスへ移動し、フーバーダムに伺いました。フーバーダムはネバダ州とアリゾナ州の州境となっているコロラド川に1936年に建設された、洪水調節、灌漑、水道用水の供給、発電を目的とした多目的ダムで、堤高221.3m、堤頂長379.2mの規模を誇り、貯水池であるミード湖の貯水容量は348.5億m3で、琵琶湖(約280億m3)よりも水量が多い驚くべき規模のダムです。この貯水池から供給される水のおかげで、ラスベガスのみならずサンフランシスコやロスアンゼルスが繁栄していると聞き大いに驚きました。「アメリカの偉業」と呼ばれているのもわかるような気がしました。
現場では、エレベーターでダム内部に入り、送水管や発電所の説明を受けましたが、その規模の大きさに圧倒されました。その後、ダム天端を歩いてダムの規模を実感するとともに、貯水池や取水搭などを視察しました。最近は渇水傾向とのことで、かなり水位が低下している様子が確認出来ました。

4.コロラド川橋梁
フーバーダムを視察した後、フーバーダムの直下流でダムを見下ろす位置に架かる大林組施工のコロラド川橋梁に伺いました。コンクリートアーチ橋としては、アーチ径間が323mと北米で最長で世界でも第4位であり、相当な難工事であったと聞きます。右岸側の駐車場から歩いて橋の真ん中あたりまで行き、フーバーダムの全景を間近に見ることができました。
この橋を含む高速道路が整備され、フーバーダムへのアクセス時間が大幅に短縮されたとのことですが、ダム周辺を訪れている年間100万人とも言われている観光客の数からもダムと橋梁を組み合わせたインフラツーリズムとしても活用されている様子がわかりました。
フーバーダムとコロラド川橋梁の視察では、サンフランシスコから中村副支店長、高徳さんにご同行いただきご案内いただきました。ありがとうございました。

全行程にわたりご同行・ご案内いただきました大林組の藤田様、杉山様、光森様、現地でご対応いただきました北米支店の嘉藤支店長、中村副支店長をはじめとする皆様、本当にありがとうございました。

【国会の動き】

12月22日(金)、予算委員会の理事懇談会が開催され、原油価格・物価高騰対策や賃上げへの対応のため、当日閣議決定された1兆1311億円の予備費の使用について、財務省の新川主計局長から報告を受けました。

【自民党の動き】

12月20日(水)、品確議連の品確法改正PTの総会が開催され、座長代理として、根本匠顧問、佐藤信秋座長、古川貞久座長代理とともに出席しました。今回は、これまでの業界団体等からのヒアリングを踏まえた品確法の改正骨子案をお示しして、ご出席の先生方からご意見を伺いました。私からは、特に市町村レベルに品確法の趣旨を徹底するような規定ができないか、検討をお願いしました。

12月21日(木)、ミクロネシア連邦外務大臣との意見交換会に出席し、地球温暖化に伴う海面上昇の影響についてお話しをさせていただき、インフラ整備の面でも支援をしていきたい旨、お伝えしました。

その他、自民党参議院の特別総会や国土交通部会、沖縄振興調査会、公務員制度改革PT、GX実行本部の総会、不安に寄り添う政治のあり方勉強会、神田潤一君を励ます会等に出席しました。

【都内の動き】
12月18日(月)、長野県議会砂防事業促進研究会の懇談会に出席し、農林水産大臣の宮下一郎衆議院議員らとともに意見交換をさせていただきました。

12月19日(火)、株式会社佐藤渡辺100周年の記念式典に斎藤鉄夫国土交通大臣、佐藤信秋参議院議員とともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。その後、全国管工機材商業連合会60周年の記念式典に出席し、牧原秀樹衆議院議員とともにお祝いのご挨拶をさせていただきました。

【地方の動き】

12月16日(土)、兵庫県北部の豊岡市で開催された「北近畿自動車道豊岡道路(Ⅱ期区間)起工式」に、谷公一衆議院議員、末松信介参議院議員、加田裕之参議院議員等とともに出席し、お祝いのご挨拶をさせていただきました。